Brown-Sequard型麻痺を呈した脊髄ヘルニアの一例
脊髄ヘルニアは稀な疾患であり,Brown-Sequard型麻痺を呈し手術加療で軽快した1例を経験したため文献的考察を加え報告する.【症例】59歳,女性【現病歴】来院19年前から左下肢の疼痛と痺れを自覚,徐々に症状増悪したため近医を受診した.MRIにてTh2/3に脊髄ヘルニアを疑う所見を認め手術加療目的で当科紹介となった.【身体所見】下肢MMTは3/5と右下肢で低下,痛覚は左Th7以下で5/10でありBrown-Sequard型麻痺を認めた.【MRI】Th2/3レベルで脊髄の腹側への偏位と右前方への脱出がみられた.【経過】脊髄ヘルニアの診断で,麻痺が進行するため手術加療の方針とした.手術は脊椎後...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 70; no. 2; pp. 195 - 198 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
25.03.2021
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.70.195 |
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Summary: | 脊髄ヘルニアは稀な疾患であり,Brown-Sequard型麻痺を呈し手術加療で軽快した1例を経験したため文献的考察を加え報告する.【症例】59歳,女性【現病歴】来院19年前から左下肢の疼痛と痺れを自覚,徐々に症状増悪したため近医を受診した.MRIにてTh2/3に脊髄ヘルニアを疑う所見を認め手術加療目的で当科紹介となった.【身体所見】下肢MMTは3/5と右下肢で低下,痛覚は左Th7以下で5/10でありBrown-Sequard型麻痺を認めた.【MRI】Th2/3レベルで脊髄の腹側への偏位と右前方への脱出がみられた.【経過】脊髄ヘルニアの診断で,麻痺が進行するため手術加療の方針とした.手術は脊椎後方アプローチにて,硬膜を切開し腹側ヘルニア孔を確認,歯状靭帯を牽引しながらヘルニアを解除した.その後脱出孔を拡大し再度陥頓しないことを確認した.術後下肢筋力は改善,痛覚は左Th7以下で9/10と筋力,感覚ともに改善,MRIでもヘルニアの再発も認められなかった. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.70.195 |