PS TKAにおける脛骨コンポーネントセメント使用の有無による骨吸収像の検討
2年以上経過観察可能であったScorpio posterior stabilizer型人工膝関節置換術(PS TKA)の脛骨コンポーネント内側直下の骨濃度を測定し,セメント使用の有無が骨吸収に与える影響について検討した.対象は63例100膝(セメント群48膝,セメントレス群52膝)であった.膝単純X線正面像を用いて,術後2週・術後6ヶ月・術後1年・術後2年の脛骨コンポーネント内側直下の骨濃度を測定,その値をもとに骨吸収率を算出した.さらに,骨吸収像をタイプ別に分類した.セメント使用の有無による内側の骨吸収率の差は認められなかった.ほとんどの症例で進行性の骨吸収を認め,術後6ヶ月・術後1年・術後...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 66; no. 4; pp. 935 - 940 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2017
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.66.935 |
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Summary: | 2年以上経過観察可能であったScorpio posterior stabilizer型人工膝関節置換術(PS TKA)の脛骨コンポーネント内側直下の骨濃度を測定し,セメント使用の有無が骨吸収に与える影響について検討した.対象は63例100膝(セメント群48膝,セメントレス群52膝)であった.膝単純X線正面像を用いて,術後2週・術後6ヶ月・術後1年・術後2年の脛骨コンポーネント内側直下の骨濃度を測定,その値をもとに骨吸収率を算出した.さらに,骨吸収像をタイプ別に分類した.セメント使用の有無による内側の骨吸収率の差は認められなかった.ほとんどの症例で進行性の骨吸収を認め,術後6ヶ月・術後1年・術後2年と骨吸収率は上昇し続けていた.内側の骨濃度が高い症例ほど術前の内反が有意に強く,より内側荷重となっており,内側の骨濃度が低い症例ほど脛骨コンポーネントが有意に外反設置となっていたが,いずれも骨吸収率との相関は認められなかった.骨吸収に影響を与える要素およびその現象についてはまだ不明な点が多く,より詳細な検討が必要と考えられた. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.66.935 |