Trunnionosisによる人工股関節弛みの1例

人工股関節ステムのネック部分はトラニオン(Trunnion)と呼ばれ,同部での摩耗・腐食はTrunnionosisと呼ばれる.我々はTrunnionosisによる弛みと思わる症例を経験したので報告する.症例は79歳女性,右大腿骨頭壊死の診断で他院にてTHAを施行された.術後5年でカップの転位を認め当科紹介,Adverse Reactions to Metal Debris(ARMD)に起因する弛みと診断し再置換を施行.トラニオンにはGoldberg Criteriaで4(severe)の腐食を認めた.モジュラー接合部での腐食は,mechanically assisted crevice cor...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 66; no. 3; pp. 463 - 466
Main Authors 中村, 俊介, 栫, 博則, 瀬戸口, 啓夫, 石堂, 康弘, 中村, 貴宏, 小宮, 節郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2017
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.66.463

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Summary:人工股関節ステムのネック部分はトラニオン(Trunnion)と呼ばれ,同部での摩耗・腐食はTrunnionosisと呼ばれる.我々はTrunnionosisによる弛みと思わる症例を経験したので報告する.症例は79歳女性,右大腿骨頭壊死の診断で他院にてTHAを施行された.術後5年でカップの転位を認め当科紹介,Adverse Reactions to Metal Debris(ARMD)に起因する弛みと診断し再置換を施行.トラニオンにはGoldberg Criteriaで4(severe)の腐食を認めた.モジュラー接合部での腐食は,mechanically assisted crevice corrosion(MACC)として知られている.安易なラージヘッドの選択やモジュラーステムの使用は,MACCを生ずるリスクがあり注意を要する.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.66.463