高齢者人工股関節全置換術におけるカップ側の評価
【目的】高齢者セメントレスTHA症例におけるカップ側についてのX線学的評価を行う.【方法】THA術後10年以上経過観察できた手術時年齢70歳以上の症例において,単純レントゲン両股関節正面像におけるCup CE角・外方開角・前捻角,骨盤の前後傾斜,ポリエチレンライナーの線摩耗,カップ周囲の骨反応について調査した.【結果】土井口法による骨盤後傾角は,術前は高齢群21.7°,若年群16.9°で有意に高齢群が大きく,最終観察時も,高齢群24.1°,若年群17.9°で有意に高齢群が大きかった.また,高齢群において術前に比べ最終観察時の後傾が2.4°強まっていたが有意差はなかった.Cup外方開角は両群とも...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 65; no. 3; pp. 474 - 476 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2016
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.65.474 |
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Summary: | 【目的】高齢者セメントレスTHA症例におけるカップ側についてのX線学的評価を行う.【方法】THA術後10年以上経過観察できた手術時年齢70歳以上の症例において,単純レントゲン両股関節正面像におけるCup CE角・外方開角・前捻角,骨盤の前後傾斜,ポリエチレンライナーの線摩耗,カップ周囲の骨反応について調査した.【結果】土井口法による骨盤後傾角は,術前は高齢群21.7°,若年群16.9°で有意に高齢群が大きく,最終観察時も,高齢群24.1°,若年群17.9°で有意に高齢群が大きかった.また,高齢群において術前に比べ最終観察時の後傾が2.4°強まっていたが有意差はなかった.Cup外方開角は両群とも術前後でほとんど変化が無かったが,前捻角は高齢群において,術前と比べ最終観察時1.9°増大していた.ポリエチレンライナーの年間線摩耗量は高齢群0.045mm,若年群0.09mmで,有意差はないが高齢群の方が少ない傾向であった.McPhersonらによるCup固定性の分類は全例Bone ingrowthであった. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.65.474 |