骨粗鬆性椎体骨折に対する脊椎後方除圧短縮固定術

骨粗鬆性脊椎椎体骨折では遅発性神経障害や偽関節による疼痛の遷延化などの後遺障害が問題となるが,それらに対し脊椎後方除圧短縮固定術を施行し良好な成績を得たので報告する.症例は24例(男性6女性18),手術時年齢は平均75歳,経過観察期間は24ヶ月.罹患骨折椎体はTh12が11例,L1が8例と胸腰椎移行部に多かった.結果は臨床所見では旧JOAスコア(胸椎11点満点)で術前5.6点が術後7.8点,腰背部痛はVASで術前59.7から術後33と改善.遅発性神経障害合併18例のFrankel分類は,術前C 16例D 2例が術後C 9例D 9例となり,新たな麻痺の発生はなかった.画像所見では局所後弯角が術前...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 60; no. 1; pp. 89 - 91
Main Authors 寒竹, 司, 加藤, 圭彦, 田口, 敏彦, 鈴木, 秀典, 今城, 靖明, 木村, 皇太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2011
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.60.89

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Summary:骨粗鬆性脊椎椎体骨折では遅発性神経障害や偽関節による疼痛の遷延化などの後遺障害が問題となるが,それらに対し脊椎後方除圧短縮固定術を施行し良好な成績を得たので報告する.症例は24例(男性6女性18),手術時年齢は平均75歳,経過観察期間は24ヶ月.罹患骨折椎体はTh12が11例,L1が8例と胸腰椎移行部に多かった.結果は臨床所見では旧JOAスコア(胸椎11点満点)で術前5.6点が術後7.8点,腰背部痛はVASで術前59.7から術後33と改善.遅発性神経障害合併18例のFrankel分類は,術前C 16例D 2例が術後C 9例D 9例となり,新たな麻痺の発生はなかった.画像所見では局所後弯角が術前16.8であったのが,術直後が5.5,そして最終調査時が8.5であり矯正損失3度と矯正角度は維持され,また全例骨癒合した.以上から短縮術は後弯の矯正と維持,骨癒合,臨床症状などを改善した.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.60.89