絶飲食期間を短縮した術前管理の提案─多周波数インピーダンス法を用いた体内水分量の検討から

術前管理方法が術前の体内水分量(AWB)に与える影響を調べるために,多周波数インピーダンス法を用いた検討を行った.対象症例は待機的胃癌手術症例とし,非ランダム化介入比較試験を計画した.対象症例を従来どおりの術前管理を行ったcontrol群(C群)と,術前に“絶飲食期間の短縮”および“緩下剤投与の軽減化”を行ったERAS群(E群)の2群に分けた.AWBを手術前日の昼食前12時と手術当日8時の2回計測し,その変化率(%)を調べた.AWBは両群で減少していたがE群(12例)ではC群(14例)に比べ減少率が小さかった(C群 -10.6±4.6%,E群 -2.4±6.8%,P<0.001).術前に...

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 30; no. 3; pp. 383 - 392
Main Authors 佐々木, 俊郎, 牧瀬, 杏子, 藤田, 久栄, 谷口, 英喜
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 2010
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.30.383

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Summary:術前管理方法が術前の体内水分量(AWB)に与える影響を調べるために,多周波数インピーダンス法を用いた検討を行った.対象症例は待機的胃癌手術症例とし,非ランダム化介入比較試験を計画した.対象症例を従来どおりの術前管理を行ったcontrol群(C群)と,術前に“絶飲食期間の短縮”および“緩下剤投与の軽減化”を行ったERAS群(E群)の2群に分けた.AWBを手術前日の昼食前12時と手術当日8時の2回計測し,その変化率(%)を調べた.AWBは両群で減少していたがE群(12例)ではC群(14例)に比べ減少率が小さかった(C群 -10.6±4.6%,E群 -2.4±6.8%,P<0.001).術前に“絶飲食期間の短縮”および“緩下剤投与の軽減化”を行う管理により,術前AWBを維持することが可能であると考えた.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.30.383