行動計量学的アプローチを用いた保健指導プログラムの開発

「1. 序」 平成20年度より始まった特定保健指導は, 平成27年度に平成20年と比較して糖尿病等の生活習慣病有病者・予備軍を25%減少させることを目指し, 中長期的な医療費の伸びの適正化を図ることを目的としている. これまでの健診・保健指導は, 個別疾病の早期発見, 早期治療が目的となっていた. そのため, 健診後の保健指導では, 健診結果を通知し, パンフレット等を使用して一般的な情報提供をしたり, 「要精検」や「要治療」となった者に対して受診勧奨を行い, 高血圧, 高脂血症, 糖尿病, 肝臓病などの疾患を中心とした病態別の指導が実施されていた. しかし, 平成20年度からの健診・保健指導...

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Bibliographic Details
Published in行動計量学 Vol. 38; no. 2; pp. 127 - 134
Main Authors 安達, 美佐, 金子, 伸子, 寺澤, 康子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本行動計量学会 2011
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ISSN0385-5481
1880-4705
DOI10.2333/jbhmk.38.127

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Summary:「1. 序」 平成20年度より始まった特定保健指導は, 平成27年度に平成20年と比較して糖尿病等の生活習慣病有病者・予備軍を25%減少させることを目指し, 中長期的な医療費の伸びの適正化を図ることを目的としている. これまでの健診・保健指導は, 個別疾病の早期発見, 早期治療が目的となっていた. そのため, 健診後の保健指導では, 健診結果を通知し, パンフレット等を使用して一般的な情報提供をしたり, 「要精検」や「要治療」となった者に対して受診勧奨を行い, 高血圧, 高脂血症, 糖尿病, 肝臓病などの疾患を中心とした病態別の指導が実施されていた. しかし, 平成20年度からの健診・保健指導では, 糖尿病等の生活習慣病の有病者・予備群の減少という観点を重視し, 内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)の概念が導入された(厚生労働省, 2007a). 特定健診の結果から, 内臓脂肪蓄積の程度と生活習慣病の発症・重症化の危険因子(リスクファクター:空腹時血糖, ヘモグロビンA1c, 中性脂肪, HDLコレステロール, 収縮期血圧, 拡張期血圧, 喫煙歴)の保有状況により対象者を分類し, 各レベルに応じて, 「情報提供」, 「動機づけ支援」, 「積極的支援」を行っている.
ISSN:0385-5481
1880-4705
DOI:10.2333/jbhmk.38.127