臨地実習指導者評価と学生の「自己客観的評価」との相関性
目的:臨地実習指導者評価と学生自身の「自己客観的評価」との相関性の有無を検討した。 対象及び方法:対象は、著者が所属する視能矯正専攻の4年次生116名(女性98名、男性18名)である。臨地実習指導者による評価は、優、良、可、不可の4段階とした。学生の自己客観的評価は新版東大式エゴグラム®(TEG)を用い、実習前の4月および実習後の7月の2回実施した。本研究では、学生の自己客観的評価項目で批判的親「CP」、保護的親「NP」、成人「A」、自由な子ども「FC」、順応した子ども「AC」の5項目の平均値の変化から学生の実習前後の自我状態の変化を検討した。また、前・後期実習ともに臨地実習指導者評価が高い学...
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Published in | 日本視能訓練士協会誌 Vol. 38; pp. 313 - 319 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本視能訓練士協会
2009
日本視能訓練士協会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0387-5172 1883-9215 |
DOI | 10.4263/jorthoptic.38.313 |
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Summary: | 目的:臨地実習指導者評価と学生自身の「自己客観的評価」との相関性の有無を検討した。 対象及び方法:対象は、著者が所属する視能矯正専攻の4年次生116名(女性98名、男性18名)である。臨地実習指導者による評価は、優、良、可、不可の4段階とした。学生の自己客観的評価は新版東大式エゴグラム®(TEG)を用い、実習前の4月および実習後の7月の2回実施した。本研究では、学生の自己客観的評価項目で批判的親「CP」、保護的親「NP」、成人「A」、自由な子ども「FC」、順応した子ども「AC」の5項目の平均値の変化から学生の実習前後の自我状態の変化を検討した。また、前・後期実習ともに臨地実習指導者評価が高い学生群を「成績高位者群」、低い学生群を「成績低位者群」とし、学生のTEGの特徴を検討した。 結果:臨地実習指導者評価は、前期実習よりも後期実習では「優」が約10ポイント増加し、「良」と「可」が減少した。TEGの尺度得点は、実習前・後とも「NP」と「FC」が高く、実習後は「A」が有意に高くなった(p<0.05)。これは、学生は自己客観評価の実施によって、学生自身が事実に基づいた冷静な判断・科学的側面が向上したことを示唆している。また、「成績高位者群」では「NP」、「成績低位者群」では「AC」が高かった。 結論:学生は臨地実習前に自己の性格傾向を客観的に把握することは、実習効果を上げることが期待できる。指導者はTEG結果を学生の情意領域の特徴を把握するツールの一つとして活用できると考えられる。 |
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ISSN: | 0387-5172 1883-9215 |
DOI: | 10.4263/jorthoptic.38.313 |