橈骨遠位端骨折掌側ロッキングプレート固定術後の長母指屈筋腱断裂

【目的】橈骨遠位端骨折に対するロッキングプレート固定術後の長母指屈筋腱(FPL)断裂は,重大な合併症である.今回,FPLの再建術施行例ついて検討した.【症例と結果】症例は3例(男1,女2)で,プレート固定からFPL断裂までの期間は平均18ヵ月であった.全例Acu-Loc®プレートが使用されており,単純X線にて橈骨掌側縁よりも,掌側にプレートが突出して固定されていた.診断が遅れた高齢者の2例に環指浅指屈筋腱の腱移行術,1例に長掌筋の腱移植術が施行された.腱移行例は自動運動が困難でQuick DASH scoreは腱移行術例で平均49.2,腱移植術例で17.5であった.【考察】FPLの断裂はプレー...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 63; no. 1; pp. 47 - 50
Main Authors 三原, 惇史, 村松, 慶一, 瀬戸, 信一朗, 富永, 康弘, 田口, 敏彦, 岩永, 隆太, 橋本, 貴弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2014
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.63.47

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Summary:【目的】橈骨遠位端骨折に対するロッキングプレート固定術後の長母指屈筋腱(FPL)断裂は,重大な合併症である.今回,FPLの再建術施行例ついて検討した.【症例と結果】症例は3例(男1,女2)で,プレート固定からFPL断裂までの期間は平均18ヵ月であった.全例Acu-Loc®プレートが使用されており,単純X線にて橈骨掌側縁よりも,掌側にプレートが突出して固定されていた.診断が遅れた高齢者の2例に環指浅指屈筋腱の腱移行術,1例に長掌筋の腱移植術が施行された.腱移行例は自動運動が困難でQuick DASH scoreは腱移行術例で平均49.2,腱移植術例で17.5であった.【考察】FPLの断裂はプレートの種類,設置位置,抜釘などで回避される.再建方法は,FPL断裂を早期に診断し,腱移行術よりも腱移植術を第一選択とすべきと考える.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.63.47