高齢者の距骨前距腓靭帯付着部の剥離骨折に対してsuture anchorを用いた手術を施行した1例

【背景】足関節捻挫の多くは前距腓靭帯(ATFL)に損傷が及ぶと報告されている.その中でも,距骨付着部の剥離骨折の治療戦略は結論づけられていない.【症例】身寄りのない独居で段差の多い家に住む88歳女性.右足関節を捻挫し歩行困難となり,同日当科受診した.身体・画像所見より距骨ATFL付着部の剥離骨折と診断した.保存的治療と手術的治療の情報提供を行い,後者を選択された.2本の1.45 mm suture anchorを用いてATFL付着部の剥離骨片を骨折部へ縫合固定した.後療法は,術後3週間副子固定して疼痛内全荷重,術後3週から8週はアンクルサポーター装着とした.術後6ヶ月の最終フォローアップ時には...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 72; no. 4; pp. 695 - 697
Main Authors 竹下, 修平, 秋山, 隆行, 馬渡, 正明, 坂井, 達弥, 小林, 孝巨
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2023
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.72.695

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Summary:【背景】足関節捻挫の多くは前距腓靭帯(ATFL)に損傷が及ぶと報告されている.その中でも,距骨付着部の剥離骨折の治療戦略は結論づけられていない.【症例】身寄りのない独居で段差の多い家に住む88歳女性.右足関節を捻挫し歩行困難となり,同日当科受診した.身体・画像所見より距骨ATFL付着部の剥離骨折と診断した.保存的治療と手術的治療の情報提供を行い,後者を選択された.2本の1.45 mm suture anchorを用いてATFL付着部の剥離骨片を骨折部へ縫合固定した.後療法は,術後3週間副子固定して疼痛内全荷重,術後3週から8週はアンクルサポーター装着とした.術後6ヶ月の最終フォローアップ時には痛みなく歩行可能となり,CTでも骨癒合を認め,ストレスX線撮影でも足関節の不安定性を示さなかった.【結論】高齢者において距骨ATFL付着部の剥離骨折に対するsuture anchorを用いた手術を実施した一例を報告した.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.72.695