クロピドグレル内服中の胸椎椎体骨折患者に硬膜外血腫を合併した1例

クロピドグレル(プラビックス)内服中の胸椎椎体骨折に硬膜外血腫を合併した1例を経験したので報告する.[症例]76歳女性.既往はレビー小体型認知症,高血圧であった.脳梗塞予防にクロピドグレルを内服していた.自宅で転倒受傷,同日救急病院受診.翌々日当院紹介,MRIでT12椎体骨折および同レベルでの硬膜外血腫を認めた.受診時両下肢不全麻痺を認め,入院後クロピドグレルを中止した.休薬1週間後に脊椎後方固定術(T9-L3)施行,血腫除去を行った.術後インフルエンザに罹患,術後3週より歩行開始し現在独歩可能である.[考察]一般的に抗凝固薬,抗血小板薬内服は硬膜外血腫のリスク因子である.クロピドグレルは20...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 67; no. 3; pp. 502 - 504
Main Authors 島内, 卓, 江口, 正雄, 髙橋, 祐介, 岩田, 真一郎, 野口, 康男, 酒井, 隆士郎, 綾, 宣恵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2018
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.67.502

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Summary:クロピドグレル(プラビックス)内服中の胸椎椎体骨折に硬膜外血腫を合併した1例を経験したので報告する.[症例]76歳女性.既往はレビー小体型認知症,高血圧であった.脳梗塞予防にクロピドグレルを内服していた.自宅で転倒受傷,同日救急病院受診.翌々日当院紹介,MRIでT12椎体骨折および同レベルでの硬膜外血腫を認めた.受診時両下肢不全麻痺を認め,入院後クロピドグレルを中止した.休薬1週間後に脊椎後方固定術(T9-L3)施行,血腫除去を行った.術後インフルエンザに罹患,術後3週より歩行開始し現在独歩可能である.[考察]一般的に抗凝固薬,抗血小板薬内服は硬膜外血腫のリスク因子である.クロピドグレルは2006年より発売された抗血小板薬だが,出血リスクについての報告は少ない.抗凝固薬,抗血小板薬内服中の椎体骨折患者では硬膜外血腫の合併に注意が必要と考える.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.67.502