小児上腕骨外顆骨折に肘頭骨折を合併した2例

【はじめに】小児の上腕骨外顆骨折と肘頭骨折を合併した2例を経験したので報告する.【症例1】3歳男児,2段の段差から転落し受傷.近医受診し左上腕骨外顆骨折の診断.翌日当科受診し,上腕骨外顆骨折と肘頭骨折を認めた.上腕骨外顆骨折に対し同日tensionとband wiring(以下TBW)を施行,肘頭骨折の転位はほとんどなく保存療法となった.【症例2】7歳男児,スケートボード中に転倒し受傷.近医受診し右上腕骨外顆骨折,右肘頭骨折の診断.同日,当科紹介.どちらも転位しており,受傷当日にTBWを施行した.【考察】小児上腕骨外顆骨折と肘頭骨折の合併は比較的稀である.上腕骨外顆骨折と肘頭骨折を合併する場合...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 70; no. 3; pp. 478 - 480
Main Authors 八木, 宏樹, 岩崎, 賢優, 松口, 俊央, 土持, 兼信, 櫻井, 立太, 畑中, 敬之, 河野, 裕介, 土屋, 邦喜, 伊藤田, 慶, 中村, 哲郎, 坂井, 崇一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2021
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.70.478

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Summary:【はじめに】小児の上腕骨外顆骨折と肘頭骨折を合併した2例を経験したので報告する.【症例1】3歳男児,2段の段差から転落し受傷.近医受診し左上腕骨外顆骨折の診断.翌日当科受診し,上腕骨外顆骨折と肘頭骨折を認めた.上腕骨外顆骨折に対し同日tensionとband wiring(以下TBW)を施行,肘頭骨折の転位はほとんどなく保存療法となった.【症例2】7歳男児,スケートボード中に転倒し受傷.近医受診し右上腕骨外顆骨折,右肘頭骨折の診断.同日,当科紹介.どちらも転位しており,受傷当日にTBWを施行した.【考察】小児上腕骨外顆骨折と肘頭骨折の合併は比較的稀である.上腕骨外顆骨折と肘頭骨折を合併する場合には,内反/外反力ならびに軸圧が関与すると考えられている.経験した2例では受傷時に内反力が働いたことが考えられた.上腕骨外顆骨折は転位が見られることが多い一方,肘頭骨折は比較的転位が少ないものが多く,見逃されることがある.我々のケースでも症例1では肘頭の転位がなく,見逃しに注意が必要と考えられた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.70.478