学童期以降に発症した環軸椎回旋位固定の1例

【症例】17歳女性.学校の清掃時間にゴミ捨て場の鉄扉が倒れてきて下敷きになり受傷.頚部痛,頚椎可動域制限を訴え救急搬送.初診時,外見上は斜頚を認めており,単純CTにてC1/2両側椎間関節のロッキングを認め,環軸椎回旋位固定Fileding分類type 1の診断となった.緊急で鎮静下に徒手整復を施行するも整復困難であり,ハロー牽引を1.5 kgより開始.0.5 kg/日で増量し,受傷後7日でCT検査を施行したところロッキングは解除され良好な整復が確認されたためハローベストへ変更.その後ハローベストを2週間,ハードカラーを5週間,計8週間の固定を行った.カラー除去後,斜頚は改善し頚椎可動域制限を認...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 67; no. 4; pp. 839 - 841
Main Authors 松原, 庸勝, 永田, 見生, 後藤, 雅史, 不動, 拓眞, 岩橋, 頌二, 山田, 圭, 佐藤, 公昭, 井上, 英豪, 横須賀, 公章, 志波, 直人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2018
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.67.839

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Summary:【症例】17歳女性.学校の清掃時間にゴミ捨て場の鉄扉が倒れてきて下敷きになり受傷.頚部痛,頚椎可動域制限を訴え救急搬送.初診時,外見上は斜頚を認めており,単純CTにてC1/2両側椎間関節のロッキングを認め,環軸椎回旋位固定Fileding分類type 1の診断となった.緊急で鎮静下に徒手整復を施行するも整復困難であり,ハロー牽引を1.5 kgより開始.0.5 kg/日で増量し,受傷後7日でCT検査を施行したところロッキングは解除され良好な整復が確認されたためハローベストへ変更.その後ハローベストを2週間,ハードカラーを5週間,計8週間の固定を行った.カラー除去後,斜頚は改善し頚椎可動域制限を認めず,現在学校生活に制限なく復帰している.【考察】環軸椎回旋位固定は学童期に起こりやすく,骨成熟した学童期以降に起こることは稀である.本例は適切な時期に適切な治療を行うことで良好な治療成績が得られたと思われた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.67.839