大腿骨転子部粉砕骨折術後転位に対しNCBDFにて再手術を行った1例

大腿骨転子部粉砕骨折術後の転位例に対しNCBDFを用いて再手術を行ったので報告した.症例は41歳,男性でバイク事故にて受傷した.近医で右大腿骨転子部粉砕骨折の診断にて当日CHSを用いて骨接合術が施行された.以後,骨片の転位が生じてきており免荷にて様子を見ていたが術後7週経過した時点で希望により当院へ転院となった.Xpにて近位骨片が回旋しながら短縮転位しており,偽関節もしくは変形治癒となる可能性が高いと判断し,NCBDFを用いて再手術を行った.再手術後4週免荷の後,荷重を開始した.再手術後6ヶ月時,骨片の転位を来すことなく骨癒合は得られている.大腿骨転子部粉砕骨折に対してsliding機構をもつ...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 71; no. 4; pp. 829 - 831
Main Authors 迫, 教晃, 生田, 拓也, 小笠原, 正宣, 田中, 光
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2022
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.71.829

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Summary:大腿骨転子部粉砕骨折術後の転位例に対しNCBDFを用いて再手術を行ったので報告した.症例は41歳,男性でバイク事故にて受傷した.近医で右大腿骨転子部粉砕骨折の診断にて当日CHSを用いて骨接合術が施行された.以後,骨片の転位が生じてきており免荷にて様子を見ていたが術後7週経過した時点で希望により当院へ転院となった.Xpにて近位骨片が回旋しながら短縮転位しており,偽関節もしくは変形治癒となる可能性が高いと判断し,NCBDFを用いて再手術を行った.再手術後4週免荷の後,荷重を開始した.再手術後6ヶ月時,骨片の転位を来すことなく骨癒合は得られている.大腿骨転子部粉砕骨折に対してsliding機構をもつCHSやSFNを用いた場合,術後転位の可能性があり治療に難渋する.NCBDFはstaticに骨片を固定するので免荷を要すdemeritはあるが,再手術においても有用であった.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.71.829