軟部転移7例の経験
(はじめに)悪性腫瘍の骨転移は頻繁に経験するが,軟部転移はまれである.当院で経験した7例に対し文献的考察を交えて報告する.(対象)男性4例女性3例,平均年齢72歳(38-88),原疾患は肺癌3例,膵癌1例,原発不明癌1例,未分化多形肉腫1例,子宮頸癌1例であった.発生部位は大腿,背部,頚部,上腕,下腿に各1例,多発性が2例であった.主訴は腫瘤4例,疼痛3例であった.(結果)7例中6例が軟部転移を機に原疾患が判明した.腫瘍学的転帰はDOD 6例,AWD 1例であった.軟部転移が判明してからの平均生存期間は4.5か月(1-12)であった.(考察)骨格筋と軟部組織は体重の50%以上を占めるが,骨と比...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 70; no. 4; pp. 742 - 745 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
25.09.2021
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.70.742 |
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Summary: | (はじめに)悪性腫瘍の骨転移は頻繁に経験するが,軟部転移はまれである.当院で経験した7例に対し文献的考察を交えて報告する.(対象)男性4例女性3例,平均年齢72歳(38-88),原疾患は肺癌3例,膵癌1例,原発不明癌1例,未分化多形肉腫1例,子宮頸癌1例であった.発生部位は大腿,背部,頚部,上腕,下腿に各1例,多発性が2例であった.主訴は腫瘤4例,疼痛3例であった.(結果)7例中6例が軟部転移を機に原疾患が判明した.腫瘍学的転帰はDOD 6例,AWD 1例であった.軟部転移が判明してからの平均生存期間は4.5か月(1-12)であった.(考察)骨格筋と軟部組織は体重の50%以上を占めるが,骨と比較し転移することは臨床上まれである.231例の軟部転移のレビューでは原疾患として肺癌が最多で40%を占めており,自験例も同様であった.(結論)軟部転移を呈する症例は予後不良であった. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.70.742 |