びまん性特発性骨増殖症に伴う胸椎骨折に肋間動脈損傷による血胸を合併した1例

びまん性特発性骨増殖症(DISH)に伴う胸椎椎体骨折に加え,肋間動脈損傷による血胸を合併した症例を経験したので報告する.症例は91歳男性.階段5段からの転落による背部打撲で体動困難となり救急搬送され,X線および単純CTにてびまん性の脊椎強直とTh11椎体骨折,Th10,11棘突起骨折を認めた.また単純CT上,右胸水貯留があり造影CTでは肋間動脈からの造影剤漏出および血胸水の増加を認めたため血管内治療目的に他院紹介となった.転院先では活動性出血なく胸腔ドレーン留置での観察となった.当院再入院後にTh8-L4の後方固定術を施行し,術後経過は良好である.DISH症例では軽微な外傷で椎体骨折を起こし易...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 71; no. 3; pp. 549 - 552
Main Authors 濱田, 賢治, 畑, 直文, 大友, 一, 瀬尾, 智史, 田原, 尚直, 清水, 建詞, 上田, 章貴, 草場, 宣宏, 大茂, 壽久, 松永, 慶, 長田, 宗大
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2022
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.71.549

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Summary:びまん性特発性骨増殖症(DISH)に伴う胸椎椎体骨折に加え,肋間動脈損傷による血胸を合併した症例を経験したので報告する.症例は91歳男性.階段5段からの転落による背部打撲で体動困難となり救急搬送され,X線および単純CTにてびまん性の脊椎強直とTh11椎体骨折,Th10,11棘突起骨折を認めた.また単純CT上,右胸水貯留があり造影CTでは肋間動脈からの造影剤漏出および血胸水の増加を認めたため血管内治療目的に他院紹介となった.転院先では活動性出血なく胸腔ドレーン留置での観察となった.当院再入院後にTh8-L4の後方固定術を施行し,術後経過は良好である.DISH症例では軽微な外傷で椎体骨折を起こし易いことに加え,肋間動脈損傷による血胸を生じる可能性を念頭におく必要がある.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.71.549