非定型大腿骨骨折術後にインプラント周囲に非定型類似大腿骨転子下不全骨折を認め手術加療を要した1例

非定型大腿骨骨折術後のインプラント周囲に非定型類似不全骨折を認め手術加療を要した1例を経験したので報告する.症例は73歳女性,64歳よりビスホスホネート製剤内服,70歳時に右大腿骨骨幹部遠位に非定型大腿骨骨折を認め逆行性髄内釘による観血的骨接合術を施行した.手術時,外弯が強く大腿骨全長にインプラントが挿入できず,小転子より20 mm遠位の位置までの挿入となった.術後4ヶ月骨癒合を認め独歩可能であった.術後3年,髄内釘近位横止め周囲の右大腿骨外側に限局した皮質骨肥厚,外側皮質骨に骨折線が出現し徐々に右大腿部痛が出現した.術後3年,骨折線が徐々に明瞭化してきたため,切迫骨折と判断しAugmenta...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 71; no. 4; pp. 858 - 860
Main Authors 岡田, 祥明, 神村, 直人, 近藤, 秀臣, 沖本, 信和, 福原, 志東, 有田, 忍, 石倉, 透, 馬場, 賢治, 弓指, 恵一, 赤星, 正二郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2022
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.71.858

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Summary:非定型大腿骨骨折術後のインプラント周囲に非定型類似不全骨折を認め手術加療を要した1例を経験したので報告する.症例は73歳女性,64歳よりビスホスホネート製剤内服,70歳時に右大腿骨骨幹部遠位に非定型大腿骨骨折を認め逆行性髄内釘による観血的骨接合術を施行した.手術時,外弯が強く大腿骨全長にインプラントが挿入できず,小転子より20 mm遠位の位置までの挿入となった.術後4ヶ月骨癒合を認め独歩可能であった.術後3年,髄内釘近位横止め周囲の右大腿骨外側に限局した皮質骨肥厚,外側皮質骨に骨折線が出現し徐々に右大腿部痛が出現した.術後3年,骨折線が徐々に明瞭化してきたため,切迫骨折と判断しAugmentationプレートによる追加固定を行った.プレート固定後3ヶ月,骨折線は消失した.本症例はビスホスホネート長期内服の外弯が強い非定型大腿骨骨折であり,初回手術時,大腿骨全長にインプラントを挿入するために骨切り等の工夫が必要と考えられた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.71.858