関節リウマチ患者における人工関節置換術の術後深部感染症について

【目的】人工関節置換術において,術後感染症は最も避けたい合併症の1つである.リウマチ(以下RA)患者では術後感染症発症率が上昇するという報告が多い.近年は生物学的製剤(以下バイオ)・JAK阻害薬(以下JAK)投与下での手術が増加している.2016年7月28日以降独自にそれらの術前休薬期間を定めており,RA患者における深部感染の発生率や休薬期間の妥当性を検討した.【方法】2016年7月28日から2021年7月31日の5年間に行われた人工関節置換術339例について,術後再手術を要した深部感染の有無を調べた.【結果】339例中RA症例は109例であり,術後再手術を要した深部感染は2例(1例はJAK投...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 72; no. 3; pp. 441 - 444
Main Authors 佐藤, 実砂, 安部, 大輔, 藤井, 陽生, 今澤, 良精, 佐々木, 良, 麻生, 龍磨, 瀬尾, 健一, 大角, 崇史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2023
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.72.441

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Summary:【目的】人工関節置換術において,術後感染症は最も避けたい合併症の1つである.リウマチ(以下RA)患者では術後感染症発症率が上昇するという報告が多い.近年は生物学的製剤(以下バイオ)・JAK阻害薬(以下JAK)投与下での手術が増加している.2016年7月28日以降独自にそれらの術前休薬期間を定めており,RA患者における深部感染の発生率や休薬期間の妥当性を検討した.【方法】2016年7月28日から2021年7月31日の5年間に行われた人工関節置換術339例について,術後再手術を要した深部感染の有無を調べた.【結果】339例中RA症例は109例であり,術後再手術を要した深部感染は2例(1例はJAK投与例),非RA症例では2例であった.【結論】RA患者やバイオ・JAK阻害薬投与での深部感染症の増加は有意ではなかった.休薬期間に関しても妥当と考えられるが,症例を蓄積し検討していく必要がある.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.72.441