体育授業中の友人ストレッサーとコーピング

「I 問題の所在」体育は, 学習活動が複雑な対人関係の中で展開されるところに, 他教科とは異なる独自の特性がある(松田, 1983). また, 現行学習指導要領では, 器械運動の「集団演技」や体ほぐしの「チャレンジ運動」などで仲間との交流が学習目標として取り上げられ, 学習過程の検討における仲間関係の機能という視点の必要性が指摘されている(長谷川, 2002). しかし, 一方では, 運動嫌いや体育嫌いの子どもの特徴として, 仲間や教師との関係失調やコミュニケーションの欠如(佐久本, 1970; 石橋・佐久本, 1971; 佐久本・篠崎, 1979)が指摘されており, ネガティブな態度形成の背...

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Published in体育学研究 Vol. 52; no. 6; pp. 453 - 463
Main Authors 西田, 保, 渋倉, 崇行, 佐々木, 万丈
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体育学会 2007
日本体育学会
Subjects
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ISSN0484-6710
1881-7718
DOI10.5432/jjpehss.0471

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Summary:「I 問題の所在」体育は, 学習活動が複雑な対人関係の中で展開されるところに, 他教科とは異なる独自の特性がある(松田, 1983). また, 現行学習指導要領では, 器械運動の「集団演技」や体ほぐしの「チャレンジ運動」などで仲間との交流が学習目標として取り上げられ, 学習過程の検討における仲間関係の機能という視点の必要性が指摘されている(長谷川, 2002). しかし, 一方では, 運動嫌いや体育嫌いの子どもの特徴として, 仲間や教師との関係失調やコミュニケーションの欠如(佐久本, 1970; 石橋・佐久本, 1971; 佐久本・篠崎, 1979)が指摘されており, ネガティブな態度形成の背景には, 対人関係への不適応の問題が存在すると考えられる. したがって, 体育授業中の友人や教師との人間関係に関わる様々な状況に対して適切に対応できるかどうかは, 子どもが体育授業を楽しく有意義に実践できるかどうかを左右する重要な要因であるといえる.
ISSN:0484-6710
1881-7718
DOI:10.5432/jjpehss.0471