足趾末節骨伸筋腱付着部剥離骨折に対して経皮的鋼線固定術を施行した2例

足趾末節骨伸筋腱付着部剥離骨折,所謂“骨性mallet toe”の本邦での症例報告は非常に稀であり,後療法も報告ごとに異なる.今回我々は骨性mallet toeに対して石黒法を用いた内固定により良好な経過を辿った2例を経験したため報告する.63歳女性で正座から立つ際に転倒受傷,左第1趾末節骨骨折.受傷3日で石黒法にて固定.術後5か月時点で歩行安定している.14歳男性,サンダルで走った際に転倒受傷,左第4趾末節骨骨折+PIP脱臼.整復後保存療法も透視下にて不安定性認め受傷16日にて石黒法で固定.術後3か月時点でスポーツ復帰している.2例いずれも過屈曲位で地面に突き受傷していた.本骨折は伸展制限を...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 71; no. 3; pp. 580 - 583
Main Authors 上釜, 浩平, 中島, 隆之, 藤善, 大成, 瀬戸山, 傑, 島ノ江, 研斗, 谷口, 昇
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2022
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.71.580

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Summary:足趾末節骨伸筋腱付着部剥離骨折,所謂“骨性mallet toe”の本邦での症例報告は非常に稀であり,後療法も報告ごとに異なる.今回我々は骨性mallet toeに対して石黒法を用いた内固定により良好な経過を辿った2例を経験したため報告する.63歳女性で正座から立つ際に転倒受傷,左第1趾末節骨骨折.受傷3日で石黒法にて固定.術後5か月時点で歩行安定している.14歳男性,サンダルで走った際に転倒受傷,左第4趾末節骨骨折+PIP脱臼.整復後保存療法も透視下にて不安定性認め受傷16日にて石黒法で固定.術後3か月時点でスポーツ復帰している.2例いずれも過屈曲位で地面に突き受傷していた.本骨折は伸展制限を来す骨折であり,有痛性の胼胝に加えスポーツ障害,高齢者においては易転倒性の原因ともなり得る.同骨折は骨片が小さく腱付着部であることから,石黒法を用いることで良好な骨癒合が得られ,伸展制限なく経過している.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.71.580