当院における両側大腿骨近位部骨折受傷例の検討

【目的】(検討①)当院における両側大腿骨近位部骨折症例の特徴を検討すること(検討②)傾向スコアマッチングを用いて片側例と両側例の患者背景を統一し,両側例の危険因子を検討すること.【対象】(検討①)当院で両側とも手術を行った67症例を対象とした.(検討②)傾向スコアマッチングで年齢・性別・BMIといった患者背景を統一し片側群50例,両側群50例で比較検討した.【結果】(検討①)初回骨折から対側骨折までの期間は中央値18カ月で1年以内が34%と最多であった.対側骨折時に骨粗鬆症の治療が行われていたのは17%と低かった.(検討②)対側骨折前の歩行レベルが両側骨折の有意なリスク因子であり(P=0.00...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in整形外科と災害外科 Vol. 72; no. 4; pp. 633 - 636
Main Authors 笹栗, 慎太郎, 加藤, 剛, 安原, 隆寛, 泊, 真二, 塩本, 喬平, 伊田, 修陸, 池村, 聡, 中尾, 侑貴, 由布, 竜矢
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2023
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.72.633

Cover

More Information
Summary:【目的】(検討①)当院における両側大腿骨近位部骨折症例の特徴を検討すること(検討②)傾向スコアマッチングを用いて片側例と両側例の患者背景を統一し,両側例の危険因子を検討すること.【対象】(検討①)当院で両側とも手術を行った67症例を対象とした.(検討②)傾向スコアマッチングで年齢・性別・BMIといった患者背景を統一し片側群50例,両側群50例で比較検討した.【結果】(検討①)初回骨折から対側骨折までの期間は中央値18カ月で1年以内が34%と最多であった.対側骨折時に骨粗鬆症の治療が行われていたのは17%と低かった.(検討②)対側骨折前の歩行レベルが両側骨折の有意なリスク因子であり(P=0.0009, 95%CI:2.26-17.29, Odds Ratio:6.2)車いすもしくは補助具使用下での歩行レベルは両側骨折のリスクが高いことが分かった.【結語】両側近位部骨折を予防するためには片側骨折後早期から歩行レベル回復を目的とした多面的アプローチによる治療が必要と考えられた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.72.633