神経内ガングリオンに対する関節枝切離を加えた被膜切開排液術の治療成績

【はじめに】神経内ガングリオンはその発生機序,治療方針について議論が残るところである.我々はその治療方針として可能な限り神経機能の温存を目的にガングリオンの被膜切開排液による減圧術を行ってきた.その治療成績について報告する.【対象】症例は8例(男6,女2)で,平均年齢59歳,平均観察期間は19か月であった.発生箇所は腓骨神経4例,その他が4例であった.術前後神経所見,手術までの期間,手術所見,術前後のMRI所見について検討した.【結果】手術までの期間は平均5.5か月であった.全例神経機能の改善を認めたが,術前MMTが0-1の症例2例にてMMT 3-4の回復に留まった.神経機能が増悪した症例はな...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 70; no. 4; pp. 730 - 733
Main Authors 三原, 惇史, 坂井, 孝司, 岩永, 隆太, 村松, 慶一, 伊原, 公一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2021
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.70.730

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Summary:【はじめに】神経内ガングリオンはその発生機序,治療方針について議論が残るところである.我々はその治療方針として可能な限り神経機能の温存を目的にガングリオンの被膜切開排液による減圧術を行ってきた.その治療成績について報告する.【対象】症例は8例(男6,女2)で,平均年齢59歳,平均観察期間は19か月であった.発生箇所は腓骨神経4例,その他が4例であった.術前後神経所見,手術までの期間,手術所見,術前後のMRI所見について検討した.【結果】手術までの期間は平均5.5か月であった.全例神経機能の改善を認めたが,術前MMTが0-1の症例2例にてMMT 3-4の回復に留まった.神経機能が増悪した症例はなかった.5例に関節枝のガングリオンを認め,切除した.術後MRIを撮像した症例のうち75%の症例でガングリオンの残存を認めたが,症状の再発はなかった.【結語】神経内ガングリオンに対して被膜切開排液による減圧術は安全で有効な術式と考える.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.70.730