石灰沈着性頚長筋腱炎2例の治療経験
【はじめに】石灰沈着性頚長筋腱炎は急性発症の頚部痛,嚥下時痛,頚部可動域制限を来たし,頚部X線・CTにて環椎前面に石灰化を呈する比較的稀な疾患である.2例経験したので報告する.【症例1】45歳女性,数日前から頚部痛,嚥下時痛があり当科受診,CTにて環椎前面の淡い石灰化像を認め診断した.【症例2】52歳女性,嚥下時痛を主訴に当科受診し,炎症反応上昇とX線にて後咽頭部の浮腫を認め,咽後膿瘍を疑い耳鼻咽喉科でファイバー検査するも咽頭には異常所見はなく,MRIでも化膿性脊椎炎は否定された.最終的にCTにて頚長筋に石灰化をみとめ診断した.いずれの症例もNSAIDsとH2blocker内服薬にて保存的に治...
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| Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 70; no. 3; pp. 378 - 381 |
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| Main Authors | , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
西日本整形・災害外科学会
25.09.2021
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
| DOI | 10.5035/nishiseisai.70.378 |
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| Summary: | 【はじめに】石灰沈着性頚長筋腱炎は急性発症の頚部痛,嚥下時痛,頚部可動域制限を来たし,頚部X線・CTにて環椎前面に石灰化を呈する比較的稀な疾患である.2例経験したので報告する.【症例1】45歳女性,数日前から頚部痛,嚥下時痛があり当科受診,CTにて環椎前面の淡い石灰化像を認め診断した.【症例2】52歳女性,嚥下時痛を主訴に当科受診し,炎症反応上昇とX線にて後咽頭部の浮腫を認め,咽後膿瘍を疑い耳鼻咽喉科でファイバー検査するも咽頭には異常所見はなく,MRIでも化膿性脊椎炎は否定された.最終的にCTにて頚長筋に石灰化をみとめ診断した.いずれの症例もNSAIDsとH2blocker内服薬にて保存的に治癒し,X線での環椎前面の石灰化像は消失した.【まとめ】石灰沈着性頚長筋腱炎は炎症反応上昇,後咽頭部の腫脹などを呈するため,咽後膿瘍や化膿性椎体炎などの感染性疾患との鑑別が重要になる. |
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| ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
| DOI: | 10.5035/nishiseisai.70.378 |