脆弱性骨盤骨折患者における脊椎骨盤アライメントと骨折の進展の関係

【目的】脆弱性骨盤骨折(FFP)における骨折の進展は臨床的に問題になっている.しかしながら,脊椎骨盤アライメントと骨折の進展の関係に関する報告はない.本研究の目的は,FFPにおける脊椎骨盤アライメントと骨折の進展との関連性を調査することである.【方法】2017年1月から2019年12月に立位全脊柱・骨盤X線側面像を撮影したFFP28例を対象とした後方視的研究である.初診時と最終フォローアップ時の画像検査より,骨折の進展あり群(n=14)と進展群(n=14)に分類し,脊椎骨盤アライメント(PI,PT,SS,LL,TK,SVA,PI-LL mismatch)を比較した.【結果】進展あり群と進展群と...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 70; no. 3; pp. 530 - 535
Main Authors 上原, 航, 北村, 貴弘, 堀田, 謙介, 坂本, 和也, 志田原, 哲, 真島, 久, 仙波, 英之, 小林, 孝巨, 宮﨑, 研丞, 生田, 光
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2021
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.70.530

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Summary:【目的】脆弱性骨盤骨折(FFP)における骨折の進展は臨床的に問題になっている.しかしながら,脊椎骨盤アライメントと骨折の進展の関係に関する報告はない.本研究の目的は,FFPにおける脊椎骨盤アライメントと骨折の進展との関連性を調査することである.【方法】2017年1月から2019年12月に立位全脊柱・骨盤X線側面像を撮影したFFP28例を対象とした後方視的研究である.初診時と最終フォローアップ時の画像検査より,骨折の進展あり群(n=14)と進展群(n=14)に分類し,脊椎骨盤アライメント(PI,PT,SS,LL,TK,SVA,PI-LL mismatch)を比較した.【結果】進展あり群と進展群との間で,PI(68.9° vs. 68.5°,p=0.938),PT(35.2° vs. 33.5°,p=0.737),SS(33.1° vs. 35.0°,p=0.633),LL(25.0° vs. 32.1°,p=0.189),TK(49.0° vs. 50.5°,p=0.849),SVA(105.2mm vs. 97.3mm,p=0.670),PI-LL mismatch(44.0° vs. 36.4°,p=0.332)は有意差を認めなかった.【考察】FFPにおける脊椎骨盤アライメントと骨折の進展との関連性は認めなかった.今後は症例数を増やして検討する必要がある.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.70.530