鏡視下掻爬を行った骨嚢腫の治療成績

(はじめに)骨嚢腫は小児から若年者に発生し,病的骨折の原因となり得る良性骨腫瘍である.治療法は様々で定型的な治療法はない.我々は2013年から鏡視下掻爬を骨嚢腫に対して行い,良好な成績を得たので報告する.(対象と方法)男性8例女性5例計13例,平均年齢16歳(4-37),平均観察期間13.8か月(5-120),疼痛が全例にあった.発生部位は肩甲骨1例大腿骨3例踵骨9例であった.全例に掻爬を行い,その後吸収性スクリュー留置もしくは人工骨充填を行った.(結果)全例治癒し,再発はなかった.感染などの合併症もなかった.(考察と結論)骨嚢腫の成因はいまだ不明であるが,嚢腫の内圧を下げるために行う排液と骨...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 71; no. 4; pp. 766 - 769
Main Authors 三原, 惇史, 坂井, 孝司, 岩永, 隆太, 村松, 慶一, 伊原, 公一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2022
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.71.766

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Summary:(はじめに)骨嚢腫は小児から若年者に発生し,病的骨折の原因となり得る良性骨腫瘍である.治療法は様々で定型的な治療法はない.我々は2013年から鏡視下掻爬を骨嚢腫に対して行い,良好な成績を得たので報告する.(対象と方法)男性8例女性5例計13例,平均年齢16歳(4-37),平均観察期間13.8か月(5-120),疼痛が全例にあった.発生部位は肩甲骨1例大腿骨3例踵骨9例であった.全例に掻爬を行い,その後吸収性スクリュー留置もしくは人工骨充填を行った.(結果)全例治癒し,再発はなかった.感染などの合併症もなかった.(考察と結論)骨嚢腫の成因はいまだ不明であるが,嚢腫の内圧を下げるために行う排液と骨新生を促す掻爬が重要である.骨嚢腫は若年者が多く,First therapyでかつ侵襲が少ない手術方法で治癒することが望ましい.鏡視下掻爬はその2点を満たしており,また他の良性骨腫瘍にも応用可能である.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.71.766