肩甲帯部重複損傷を伴う肩峰骨折に対してtension band wiring法を施行した1例

肩峰骨折は交通外傷や高エネルギー外傷に生じやすく,受傷機転に基づき治療法方針を決定する必要がある.今回superior shoulder suspension complex(SSSC)不安定性を生じた肩甲帯部重複損傷を伴う肩峰骨折に対してtension band wiring(TBW)法を施行した1例を経験したので報告する.症例は54歳男性,バイク走行中に転倒し受傷.右肩峰骨折(仲川分類3型),右肩鎖関節脱臼,右鎖骨遠位端骨折を認めた.受傷後6日目に肩峰骨折に対してTBW法,肩鎖関節脱臼に対して烏口鎖骨靭帯再建術(Zip tight),肩鎖関節固定を施行した.術後7週で肩鎖関節部の鋼線を抜釘...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 71; no. 4; pp. 807 - 810
Main Authors 石橋, 正二郎, 屋良, 卓郎, 原, 正光, 水内, 秀城, 徳丸, 達也, 安元, 慧大朗, 荒武, 佑至
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2022
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.71.807

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Summary:肩峰骨折は交通外傷や高エネルギー外傷に生じやすく,受傷機転に基づき治療法方針を決定する必要がある.今回superior shoulder suspension complex(SSSC)不安定性を生じた肩甲帯部重複損傷を伴う肩峰骨折に対してtension band wiring(TBW)法を施行した1例を経験したので報告する.症例は54歳男性,バイク走行中に転倒し受傷.右肩峰骨折(仲川分類3型),右肩鎖関節脱臼,右鎖骨遠位端骨折を認めた.受傷後6日目に肩峰骨折に対してTBW法,肩鎖関節脱臼に対して烏口鎖骨靭帯再建術(Zip tight),肩鎖関節固定を施行した.術後7週で肩鎖関節部の鋼線を抜釘,術後14週で骨癒合認めた.SSSC不安定性を伴う肩甲帯部重複損傷では手術適応とする報告が散見され,本症例では肩峰骨折にTBW法を施行し,諸家の報告同様に良好な骨癒合,臨床成績を得られ有用な方法であった.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.71.807