橈骨遠位骨端線早期閉鎖後の尺骨突き上げ症候群・変形性手関節症に対して観血的治療を行った1例

36歳女性,10歳時に右橈骨遠位部骨折に対して保存的に加療された.中学生時,部活動中に右手関節痛を自覚し,30歳時から日常生活時の右手関節尺側部痛が出現した.手関節痛が増悪,安静時痛が出現したため当科を紹介された.初診時手関節尺側部痛と手関節可動域制限を認めた.単純X線像でulnar variance+9.3 mmと著明な尺骨頭高位変位と遠位橈尺関節部の骨棘形成を認め,尺骨頭は手根骨と関節様形態を呈していた.MRI T2*強調像で三角線維軟骨複合体の描出は不明瞭であった.橈骨骨端線早期閉鎖による尺骨突き上げ症候群・変形性手関節症の診断で遠位橈尺関節部骨棘切除,尺骨短縮骨切り術,三角線維軟骨複合...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 71; no. 2; pp. 193 - 196
Main Authors 仲宗根, 素子, 大中, 敬子, 西田, 康太郎, 吉川, 誉士郎, 大久保, 宏貴, 金城, 政樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2022
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.71.193

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Summary:36歳女性,10歳時に右橈骨遠位部骨折に対して保存的に加療された.中学生時,部活動中に右手関節痛を自覚し,30歳時から日常生活時の右手関節尺側部痛が出現した.手関節痛が増悪,安静時痛が出現したため当科を紹介された.初診時手関節尺側部痛と手関節可動域制限を認めた.単純X線像でulnar variance+9.3 mmと著明な尺骨頭高位変位と遠位橈尺関節部の骨棘形成を認め,尺骨頭は手根骨と関節様形態を呈していた.MRI T2*強調像で三角線維軟骨複合体の描出は不明瞭であった.橈骨骨端線早期閉鎖による尺骨突き上げ症候群・変形性手関節症の診断で遠位橈尺関節部骨棘切除,尺骨短縮骨切り術,三角線維軟骨複合体再建術を行った.術後1年6か月で前腕回旋時の手関節痛・轢音は消失した.手関節機能は改善,手関節可動域も改善がみられ,尺骨頭の安定化も得られており,原職の保育士に復帰している.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.71.193