多彩な神経症状を反復し脳生検で確定診断した血管内大細胞型B細胞リンパ腫の一例
症例は66歳女性.右難聴で発症し,一過性左上肢麻痺出現後に抗凝固療法を開始.その後脳幹症状や脊髄症状が出現・消退し,経過途中から発熱・皮疹・LDH上昇と単球増多を,進行期に脳症と多発性脳梗塞・貧血・血小板減少・脾腫・低酸素血症が出現した.皮膚生検・骨髄穿刺・ランダム皮膚生検で異型細胞が発見されず,脳生検で血管内大細胞型B細胞リンパ腫と確定診断した.脳梗塞を含む多彩な神経症状を呈し,皮疹とLDH上昇を伴う患者をみた時は本症を念頭におき,生検による確定診断への努力を続けることが重要である....
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Published in | 脳卒中 Vol. 32; no. 4; pp. 406 - 412 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中学会
2010
日本脳卒中学会 |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0912-0726 1883-1923 |
DOI | 10.3995/jstroke.32.406 |
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Summary: | 症例は66歳女性.右難聴で発症し,一過性左上肢麻痺出現後に抗凝固療法を開始.その後脳幹症状や脊髄症状が出現・消退し,経過途中から発熱・皮疹・LDH上昇と単球増多を,進行期に脳症と多発性脳梗塞・貧血・血小板減少・脾腫・低酸素血症が出現した.皮膚生検・骨髄穿刺・ランダム皮膚生検で異型細胞が発見されず,脳生検で血管内大細胞型B細胞リンパ腫と確定診断した.脳梗塞を含む多彩な神経症状を呈し,皮疹とLDH上昇を伴う患者をみた時は本症を念頭におき,生検による確定診断への努力を続けることが重要である. |
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ISSN: | 0912-0726 1883-1923 |
DOI: | 10.3995/jstroke.32.406 |