無料低額診療事業を利用して脳卒中治療を受けた患者の発症年齢と入院期間の特徴

要旨:【背景および目的】無料低額診療事業を利用して脳卒中治療を受けた患者を調査することで,貧困者の脳卒中の特徴を明らかにすることを目的とする.【方法】2010年10月~2018年3月に無料低額診療事業を活用して受診した113人のうち,脳卒中の治療で回復期リハビリテーション目的に入院した患者を無低群,当該患者の次に入院してきて無料低額診療事業を利用しなかった脳卒中患者を対照群とした.【結果】無低群は27人.無低群では収入の対生活保護率は64%,平均年齢は72.0歳,男性は18人,全入院期間は143.7日だった.対照群は,平均年齢78.9歳,男性14人,全入院期間は95.1日だった.【結論】貧困状...

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Published in脳卒中 Vol. 42; no. 6; pp. 509 - 514
Main Authors 太田, 昭生, 山縣, 然太朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 2020
日本脳卒中学会
Subjects
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ISSN0912-0726
1883-1923
DOI10.3995/jstroke.10774

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Summary:要旨:【背景および目的】無料低額診療事業を利用して脳卒中治療を受けた患者を調査することで,貧困者の脳卒中の特徴を明らかにすることを目的とする.【方法】2010年10月~2018年3月に無料低額診療事業を活用して受診した113人のうち,脳卒中の治療で回復期リハビリテーション目的に入院した患者を無低群,当該患者の次に入院してきて無料低額診療事業を利用しなかった脳卒中患者を対照群とした.【結果】無低群は27人.無低群では収入の対生活保護率は64%,平均年齢は72.0歳,男性は18人,全入院期間は143.7日だった.対照群は,平均年齢78.9歳,男性14人,全入院期間は95.1日だった.【結論】貧困状況で生活している人たちは,非貧困者と比べ若年時に脳血管障害に罹患する危険性が高く,発症した際には入院期間が長期化する.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.10774