感染性心内膜炎に伴う脳卒中の臨床的検討
【目的】感染性心内膜炎infective endocarditis (IE)に伴う脳卒中の特徴を明らかにする目的で,IE の発症から治癒するまでの間に合併した脳卒中について検討した.【方法】IE の入院患者90 例(平均63.8±17.4 歳)を対象とし,各種臨床因子について後方視的に検討した.【結果】25 例(28%)に脳卒中(脳梗塞18 例,脳内出血5 例,くも膜下出血2 例)が認められた.脳卒中群は非脳卒中群に比し退院時modified Rankin Scale 3 以上の例が有意に多かった(52% vs 28%,P=0.046).脳梗塞は多発性の大脳皮質枝領域梗塞が多く,脳内出血は全例...
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Published in | 脳卒中 Vol. 38; no. 4; pp. 219 - 225 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中学会
2016
日本脳卒中学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0912-0726 1883-1923 |
DOI | 10.3995/jstroke.10361 |
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Summary: | 【目的】感染性心内膜炎infective endocarditis (IE)に伴う脳卒中の特徴を明らかにする目的で,IE の発症から治癒するまでの間に合併した脳卒中について検討した.【方法】IE の入院患者90 例(平均63.8±17.4 歳)を対象とし,各種臨床因子について後方視的に検討した.【結果】25 例(28%)に脳卒中(脳梗塞18 例,脳内出血5 例,くも膜下出血2 例)が認められた.脳卒中群は非脳卒中群に比し退院時modified Rankin Scale 3 以上の例が有意に多かった(52% vs 28%,P=0.046).脳梗塞は多発性の大脳皮質枝領域梗塞が多く,脳内出血は全例が多発性であった.脳梗塞はIE の病初期に発症した例が多かったが,脳出血およびくも膜下出血は多くが入院後に発症していた.【結論】IE は脳卒中の合併がまれでなく,特に脳梗塞はIE の病初期に発症する場合が多いことが明らかになった. |
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ISSN: | 0912-0726 1883-1923 |
DOI: | 10.3995/jstroke.10361 |