COR検査装置による乳幼児聴力検査の反応形式

要旨: 発達障害や運動障害のない月齢4ヵ月から35ヵ月の乳幼児に COR 検査を行い, その際の反応形式を音刺激と光刺激との条件付けの有無と音刺激に対する方向感により分類し, 検査年齢, 難聴の有無との関係を検討した。1歳未満の検査では条件付けが成されなかった例が多く (月齢4-7ヵ月の63%, 8-11ヵ月の38%), 典型的な COR の反応 (音刺激方向への振り向き反応) は正常児だけに認められた。1歳以上はほとんどの例で条件付けが形成されていた (12-17ヵ月の95%, 18-23ヵ月の89%, 24-35ヵ月の94%)。正常児では典型的な COR 反応がほとんどであったが, 難聴児...

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Published inAUDIOLOGY JAPAN Vol. 58; no. 4; pp. 248 - 254
Main Authors 内田, 紗保子, 新井, 峻, 髙橋, 邦明, 岡田, 慎一, 小室, 久美子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本聴覚医学会 30.08.2015
日本聴覚医学会
Subjects
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ISSN0303-8106
1883-7301
DOI10.4295/audiology.58.248

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Summary:要旨: 発達障害や運動障害のない月齢4ヵ月から35ヵ月の乳幼児に COR 検査を行い, その際の反応形式を音刺激と光刺激との条件付けの有無と音刺激に対する方向感により分類し, 検査年齢, 難聴の有無との関係を検討した。1歳未満の検査では条件付けが成されなかった例が多く (月齢4-7ヵ月の63%, 8-11ヵ月の38%), 典型的な COR の反応 (音刺激方向への振り向き反応) は正常児だけに認められた。1歳以上はほとんどの例で条件付けが形成されていた (12-17ヵ月の95%, 18-23ヵ月の89%, 24-35ヵ月の94%)。正常児では典型的な COR 反応がほとんどであったが, 難聴児では方向感が不明確な反応が少なくなく, 片側難聴児と左右差のある両側難聴児で顕著であった。  COR の際には, 得られたデータの客観性や信頼性, 聴力左右差の可能性についての情報を得るため, 反応形式に注意し, 必要により検査結果に併記することを提案した。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.58.248