大腿骨近位部骨折症例における準緊急手術までの所要時間に与える影響因子に関する検討
当院では大腿骨近位部骨折(本骨折)に対し可能な限り準緊急手術を行い,手術までの平均所要期間を骨接合術0.64日,人工骨頭置換術(BHA)3.1日のように日単位で報告してきた.本研究では,2018年に当院で本骨折に対し手術を行い術後1年のアンケート調査に同意した92名を対象とし,受診から手術までの具体的な所要時間(手術待機時間)とそれに与える影響因子を検討した.術式別の手術待機時間は,BHA群:145時間,骨接合術群:44時間でありBHA群で有意に長かった.骨接合術群において抗血栓薬の使用例の手術待機時間は有意に長かった(抗血栓薬あり:108時間,抗血栓薬:17時間).骨接合術群の中で手術待機時...
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| Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 71; no. 4; pp. 838 - 841 |
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| Main Authors | , , , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
西日本整形・災害外科学会
25.09.2022
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| Subjects | |
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| ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
| DOI | 10.5035/nishiseisai.71.838 |
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| Summary: | 当院では大腿骨近位部骨折(本骨折)に対し可能な限り準緊急手術を行い,手術までの平均所要期間を骨接合術0.64日,人工骨頭置換術(BHA)3.1日のように日単位で報告してきた.本研究では,2018年に当院で本骨折に対し手術を行い術後1年のアンケート調査に同意した92名を対象とし,受診から手術までの具体的な所要時間(手術待機時間)とそれに与える影響因子を検討した.術式別の手術待機時間は,BHA群:145時間,骨接合術群:44時間でありBHA群で有意に長かった.骨接合術群において抗血栓薬の使用例の手術待機時間は有意に長かった(抗血栓薬あり:108時間,抗血栓薬:17時間).骨接合術群の中で手術待機時間が48時間以上であった場合,周術期合併症やせん妄が有意に増加した.BHA群ではクリーンルームや人員の確保が必要であったため手術待機時間が長くなったと考えられた.抗血栓薬は特に骨接合術群において手術待機時間を延長させていた. |
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| ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
| DOI: | 10.5035/nishiseisai.71.838 |