療育センターにおける重複難聴児の支援体制
要旨: 重複障害を有する難聴児に対する, 広島市こども療育センターの支援体制について検討した。過去5年間に当センター耳鼻咽喉科を受診し, 難聴と重複障害が判明した39名に対して以下の三形態の療育支援を行った。 ①重度の運動および知的障害をもつ14名に対して, 運動・知的障害のための療育と, 重複児対象の難聴療育を併行して実施した。 ②当センターに附属する難聴幼児通園施設の療育開始後に知的障害の診断を受けた9名に対して, 発達レベルに応じて療育内容を調整し, 4名については特別支援学校幼稚部への移行を支援した。 ③難聴療育開始後に自閉症スペクトラム障害 (ASD) 特性が明らかとなった16名に対...
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          | Published in | AUDIOLOGY JAPAN Vol. 61; no. 2; pp. 136 - 144 | 
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| Main Authors | , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            一般社団法人 日本聴覚医学会
    
        28.04.2018
     日本聴覚医学会  | 
| Subjects | |
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| ISSN | 0303-8106 1883-7301  | 
| DOI | 10.4295/audiology.61.136 | 
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| Summary: | 要旨: 重複障害を有する難聴児に対する, 広島市こども療育センターの支援体制について検討した。過去5年間に当センター耳鼻咽喉科を受診し, 難聴と重複障害が判明した39名に対して以下の三形態の療育支援を行った。 ①重度の運動および知的障害をもつ14名に対して, 運動・知的障害のための療育と, 重複児対象の難聴療育を併行して実施した。 ②当センターに附属する難聴幼児通園施設の療育開始後に知的障害の診断を受けた9名に対して, 発達レベルに応じて療育内容を調整し, 4名については特別支援学校幼稚部への移行を支援した。 ③難聴療育開始後に自閉症スペクトラム障害 (ASD) 特性が明らかとなった16名に対して, 難聴療育の枠内で特性への支援を強化した。 各形態とも, 機関連携と障害特性に応じた支援が療育効果を高めたことがうかがえた。 ASD 重複群に関しては, 支援の遅れが特性を強めた疑いがあり, 保護者への告知のあり方にも課題が残った。 | 
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| ISSN: | 0303-8106 1883-7301  | 
| DOI: | 10.4295/audiology.61.136 |