脳動脈瘤コイル塞栓術におけるScepter バルーンカテーテルの使用経験
要旨:頭蓋内ステントが使用可能となった現在でも広頸脳動脈瘤に対するコイル塞栓術では,バルーンカテーテルは依然として重要なデバイスである.従来からHyperGlide/HyperForm などのシングルルーメンカテーテルが頻用されていたが,屈曲血管への誘導性や血流が多い部位でのバルーンカテーテルの安定性に問題があった.それらの問題点を解消しうるダブルルーメン構造を有したScepter バルーンカテーテルが2013 年に本邦で保険承認された.2014 年2 月から2014 年9 月の間,当院でScepter C またはScepter XC を用いて治療された未破裂脳動脈瘤患者4 例を対象にし,脳動...
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Published in | 脳卒中 Vol. 37; no. 6; pp. 403 - 408 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中学会
2015
日本脳卒中学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0912-0726 1883-1923 |
DOI | 10.3995/jstroke.10308 |
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Summary: | 要旨:頭蓋内ステントが使用可能となった現在でも広頸脳動脈瘤に対するコイル塞栓術では,バルーンカテーテルは依然として重要なデバイスである.従来からHyperGlide/HyperForm などのシングルルーメンカテーテルが頻用されていたが,屈曲血管への誘導性や血流が多い部位でのバルーンカテーテルの安定性に問題があった.それらの問題点を解消しうるダブルルーメン構造を有したScepter バルーンカテーテルが2013 年に本邦で保険承認された.2014 年2 月から2014 年9 月の間,当院でScepter C またはScepter XC を用いて治療された未破裂脳動脈瘤患者4 例を対象にし,脳動脈瘤の特徴,周術期合併症や転帰について検討した.全症例で,完全閉塞または頸部残存の塞栓を達成し,バルーンによる合併症は認めなかった.Scepter バルーンカテーテルは安全で有効なデバイスと考えられた. |
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ISSN: | 0912-0726 1883-1923 |
DOI: | 10.3995/jstroke.10308 |