人工膝関節置換術が変形性足関節症のアライメントに及ぼす影響
【はじめに】変形性足関節症(足関節OA)は,変形性膝関節症(膝OA)の約3割に合併するとされるが人工膝関節置換術(TKA)後の足関節アライメントに関して一定の見解はない.目的は,膝OAと足関節OA合併例でTKA後の足関節アライメントを検討すること.【対象】2019年~2021年のTKA例で,田中・高倉分類II期以上の14例.立位下肢全長で術前,術後3ヶ月,1年のHKA,KJLO,AJLO,Talar tiltを計測.臨床評価はKOOSを用いた.【結果】HKAは術前-10±5.1度から術後1年-2.3±3.0度,KJLOは術前2.0±2.8度から術後1年0.0±0.5度と有意に改善(p<0.01...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 72; no. 3; pp. 459 - 461 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
25.09.2023
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.72.459 |
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Summary: | 【はじめに】変形性足関節症(足関節OA)は,変形性膝関節症(膝OA)の約3割に合併するとされるが人工膝関節置換術(TKA)後の足関節アライメントに関して一定の見解はない.目的は,膝OAと足関節OA合併例でTKA後の足関節アライメントを検討すること.【対象】2019年~2021年のTKA例で,田中・高倉分類II期以上の14例.立位下肢全長で術前,術後3ヶ月,1年のHKA,KJLO,AJLO,Talar tiltを計測.臨床評価はKOOSを用いた.【結果】HKAは術前-10±5.1度から術後1年-2.3±3.0度,KJLOは術前2.0±2.8度から術後1年0.0±0.5度と有意に改善(p<0.01,p=0.02).AJLOは術前7.5±4.0度から術後3ヶ月0.3±4.8と有意に改善,術後3ヶ月から1年3.9±4.0度で有意差はなかった(p<0.01,p=0.09).Talar tiltは術前2.0±2.7度から術後3ヶ月1.0±1.5度と有意に改善,術後3ヶ月から1年0.2±0.5度で有意差はなかった(p<0.01,p=0.05).KOOSは術前38.8±15.0点から術後1年77.7±9.3点と有意に改善した(p<0.01).【結論】TKAは足関節OA合併例でも,術後3ヶ月までに足関節アライメントは改善し,その後も維持しうる. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.72.459 |