大腿骨近位部骨接合術後インプラント周辺骨折の治療経験
〈はじめに〉近年,大腿骨近位部骨接合術後インプラント周辺骨折は増加しており,治療には難渋しやすい.今回,我々が行った各種手術方法についてそれらの治療成績と問題点について若干の文献的考察を含めて報告する.〈対象・方法〉2012年12月31日から過去10年間に本骨折を起こした症例は,Short Femoral Nail(SFN)群1095例中19例,Sliding Hip Screw(SHS)群740例中12例であった.そのうち3か月以上経過観察できたSFN群:10例 SHS群:8例を対象とした.実際の手技は,初期の症例は主に髄内釘を用い,最近はLocking Plateを用いていた.〈結果・まと...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 63; no. 1; pp. 1 - 7 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
25.03.2014
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.63.1 |
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Summary: | 〈はじめに〉近年,大腿骨近位部骨接合術後インプラント周辺骨折は増加しており,治療には難渋しやすい.今回,我々が行った各種手術方法についてそれらの治療成績と問題点について若干の文献的考察を含めて報告する.〈対象・方法〉2012年12月31日から過去10年間に本骨折を起こした症例は,Short Femoral Nail(SFN)群1095例中19例,Sliding Hip Screw(SHS)群740例中12例であった.そのうち3か月以上経過観察できたSFN群:10例 SHS群:8例を対象とした.実際の手技は,初期の症例は主に髄内釘を用い,最近はLocking Plateを用いていた.〈結果・まとめ〉本骨折の多くは大腿骨遠位部の関節外単純骨折であった.術後は全例骨癒合が得られ再骨折症例は無かった.本骨折は高齢に伴う骨粗鬆がベースにあり,さらに既存インプラントの存在から使用する内固定材の選択には難渋する.幸い,今回の成績は概ね良好な結果であったが,手術の際は既存インプラントとの間に応力集中を起こさせない工夫が必要であると思われた. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.63.1 |