心因性難聴と詐聴の取り扱い

「はじめに」難聴は器質性難聴と非器質性難聴に分けることができる. 機能性難聴 (functional hearing loss) は非器質性の難聴で, 聴力検査で得られた閾値が実際の閾値, 器質的閾値より高くなる難聴である. 心的原因による心因性難聴 (psychogenic hearing loss) と詐聴 (feigning of hearing) に分けられる. 詐聴は難聴が実際にないのに難聴を意識的に偽るものである. 小児では詐聴はみられず, 成人と臨床像が異なる. 診断は各種の聴力検査を組み合わせて行うが, 第一歩は機能性難聴を疑うことから始まる. 「1. 小児心因性難聴」「1)...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 122; no. 1; pp. 66 - 69
Main Author 小林, 一女
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.01.2019
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.122.66

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Summary:「はじめに」難聴は器質性難聴と非器質性難聴に分けることができる. 機能性難聴 (functional hearing loss) は非器質性の難聴で, 聴力検査で得られた閾値が実際の閾値, 器質的閾値より高くなる難聴である. 心的原因による心因性難聴 (psychogenic hearing loss) と詐聴 (feigning of hearing) に分けられる. 詐聴は難聴が実際にないのに難聴を意識的に偽るものである. 小児では詐聴はみられず, 成人と臨床像が異なる. 診断は各種の聴力検査を組み合わせて行うが, 第一歩は機能性難聴を疑うことから始まる. 「1. 小児心因性難聴」「1) 概念」学校保健では心因性難聴は「末梢および中枢の聴覚路に器質的障害がみられないのに主症状として難聴があるか, あるいは難聴がなくても聴力検査で難聴とみまがう所見がある.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.122.66