頭蓋内主幹動脈閉塞に頸部内頸動脈病変を伴う tandem lesions に対し,血栓回収療法と血行再建術を併用した症例についての検討

要旨:頭蓋内主幹動脈閉塞に頸部内頸動脈狭窄もしくは閉塞を伴う tandem lesions を有する急性期脳梗塞に対し,早期再灌流最優先の方針で加療した rt-PA 非投与の自験5例をもとに,その治療戦略について検討した.頸動脈狭窄が高度で血栓回収とCASを一期的に併用した3症例については,血栓吸引カテーテルが近位部病変を通過困難な1例ではCASを先行し,通過可能な2例では血栓回収先行後,CASを追加した.全例で良好な再開通が得られたが,1例でステント内血栓症を合併した.ステント留置による過凝固傾向を惹起した可能性があった.頸動脈中等度狭窄で術中狭窄の進行がない2例では,CEAによる二期的血行...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in脳卒中 Vol. 43; no. 2; pp. 158 - 166
Main Authors 岩永, 洋, 大塚, 寛朗, 松尾, 彩香, 原口, 渉, 牛島, 隆二郎, 川原, 一郎, 近松, 元気, 小野, 智憲, 堤, 圭介, 日宇, 健
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 2021
日本脳卒中学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0912-0726
1883-1923
DOI10.3995/jstroke.10786

Cover

More Information
Summary:要旨:頭蓋内主幹動脈閉塞に頸部内頸動脈狭窄もしくは閉塞を伴う tandem lesions を有する急性期脳梗塞に対し,早期再灌流最優先の方針で加療した rt-PA 非投与の自験5例をもとに,その治療戦略について検討した.頸動脈狭窄が高度で血栓回収とCASを一期的に併用した3症例については,血栓吸引カテーテルが近位部病変を通過困難な1例ではCASを先行し,通過可能な2例では血栓回収先行後,CASを追加した.全例で良好な再開通が得られたが,1例でステント内血栓症を合併した.ステント留置による過凝固傾向を惹起した可能性があった.頸動脈中等度狭窄で術中狭窄の進行がない2例では,CEAによる二期的血行再建術を選択したが,web状狭窄を伴った1例に脳梗塞の再発が生じた.中等度狭窄であっても可及的早期の CAS/CEA を検討すべきである.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.10786