脳血管造影を繰り返し診断できた破裂脳底動脈仮性動脈瘤の1例

要旨:発症40 日目のdigital subtraction angiography(DSA)で初めて出血源を同定できたsubarachnoid hemorrhage(SAH)の症例を経験したため報告する.症例は48 歳男性.突然発症の頭痛にて搬送となった.CT 上脳底槽に厚いSAH を認め,水頭症を呈していた.出血源精査としてDSA を発症14日以内に計4 回施行するも出血源を同定できず,40 日目のDSA にて初めて脳底動脈先端部近くに仮性動脈瘤を疑う所見を認めた.直達手術は困難と考え,整流効果に期待してbraided stent を留置したところ,良好な血栓化を確認でき,転帰良好で自宅退...

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Published in脳卒中 Vol. 42; no. 4; pp. 239 - 243
Main Authors 鶴田, 和太郎, 山田, 恵祐, 吉野, 正紀, 細尾, 久幸, 原, 貴行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 2020
日本脳卒中学会
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ISSN0912-0726
1883-1923
DOI10.3995/jstroke.10717

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Summary:要旨:発症40 日目のdigital subtraction angiography(DSA)で初めて出血源を同定できたsubarachnoid hemorrhage(SAH)の症例を経験したため報告する.症例は48 歳男性.突然発症の頭痛にて搬送となった.CT 上脳底槽に厚いSAH を認め,水頭症を呈していた.出血源精査としてDSA を発症14日以内に計4 回施行するも出血源を同定できず,40 日目のDSA にて初めて脳底動脈先端部近くに仮性動脈瘤を疑う所見を認めた.直達手術は困難と考え,整流効果に期待してbraided stent を留置したところ,良好な血栓化を確認でき,転帰良好で自宅退院となった.出血源不明のSAH にどこまでDSA を繰り返すかはコンセンサスがなく,経過も一般的には良好と言われているが,本症例のように出血量の多いSAH の場合,慢性期での出血源精査も必要と考えられた.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.10717