高齢者消化器外科におけるサルコペニアと周術期感染症

サルコペニアは,1989年にRosenbergによって提唱され,2010年にヨーロッパのワーキング・グループ(European Working Group on Sarcopenia in Older People(EWGSOP))により定義された。日本人でサルコペニアを診断する場合,Asian Working Group for Sarcopenia(以下,AWGS)による定義である,AWGS2019が,最新のものである。サルコペニア症例の,術後短期予後が悪化するとの報告は少なくないが,高齢者消化器外科手術における感染性合併症に限ると,大腸癌や膵頭十二指腸切除での関連性の報告がある。高齢者に...

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Published in日本外科感染症学会雑誌 Vol. 18; no. 2; pp. 322 - 327
Main Authors 鈴木, 優美, 金子, 博和, 川端, 康二, 藤城, 健, 小林, 真一郎, 北川, 雄一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本外科感染症学会 15.12.2021
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ISSN1349-5755
2434-0103
DOI10.24679/gekakansen.18.2_322

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Summary:サルコペニアは,1989年にRosenbergによって提唱され,2010年にヨーロッパのワーキング・グループ(European Working Group on Sarcopenia in Older People(EWGSOP))により定義された。日本人でサルコペニアを診断する場合,Asian Working Group for Sarcopenia(以下,AWGS)による定義である,AWGS2019が,最新のものである。サルコペニア症例の,術後短期予後が悪化するとの報告は少なくないが,高齢者消化器外科手術における感染性合併症に限ると,大腸癌や膵頭十二指腸切除での関連性の報告がある。高齢者に限定しない場合や,骨格筋量の低下を指標とすると,感染性合併症との関係を報告している論文は散見される。われわれの,高齢者消化器外科手術の予備的検討では,サルコペニアと術後感染性合併症には関係を認めなかった。
ISSN:1349-5755
2434-0103
DOI:10.24679/gekakansen.18.2_322