人間ドック健診施設における禁煙支援等に関する実態調査報告

「調査の背景と目的」我が国では, 今なお喫煙で年間13万人, 受動喫煙で1万5千人の命が奪われている. 喫煙はがんをはじめ, 循環器疾患や呼吸器疾患など, 多くの生活習慣病の発症や重症化と深く関係している. また, 喫煙は脳卒中のほか, 認知症, 骨粗鬆症とも関係があり, 要介護のリスクを高めることもわかっている. つまり, 健康長寿のためには非喫煙または禁煙と受動喫煙の防止がとりわけ重要である. 我が国では, 人間ドックをはじめ健診やがん検診が広く実施されており, 医療の場と並んで, 多くの喫煙者に対して禁煙の働きかけが可能である. 1年間に喫煙者の63.6%が人間ドック・健診・がん検診のい...

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Published in人間ドック Vol. 33; no. 3; pp. 486 - 496
Main Authors 武藤, 繁貴, 加藤, 公則, 日本人間ドック学会, 学術委員会 喫煙対策小委員会, 大森, 久光, 森, 由弘, 中村, 正和, 伊藤, 千賀子, 新, 智文, 福田, 洋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本人間ドック学会 2018
日本人間ドック学会
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ISSN1880-1021
2186-5027
DOI10.11320/ningendock.33.486

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Summary:「調査の背景と目的」我が国では, 今なお喫煙で年間13万人, 受動喫煙で1万5千人の命が奪われている. 喫煙はがんをはじめ, 循環器疾患や呼吸器疾患など, 多くの生活習慣病の発症や重症化と深く関係している. また, 喫煙は脳卒中のほか, 認知症, 骨粗鬆症とも関係があり, 要介護のリスクを高めることもわかっている. つまり, 健康長寿のためには非喫煙または禁煙と受動喫煙の防止がとりわけ重要である. 我が国では, 人間ドックをはじめ健診やがん検診が広く実施されており, 医療の場と並んで, 多くの喫煙者に対して禁煙の働きかけが可能である. 1年間に喫煙者の63.6%が人間ドック・健診・がん検診のいずれかを受診しているものの, 禁煙を勧められた割合は31.8%にとどまっていると報告されている. 人間ドック健診施設における禁煙支援・治療の実態については, 本小委員会が2011年1~2月に「人間ドック健診施設における禁煙指導実施状況ならびに禁煙外来設置状況実態調査」を実施した.
ISSN:1880-1021
2186-5027
DOI:10.11320/ningendock.33.486