小児膝蓋骨外側sleeve骨折に対してpull-out法を用いた骨接合術を施行した1例

【はじめに】小児膝蓋骨sleeve骨折は上極と下極に好発するが,外側の報告は非常に少ない.今回我々は稀な小児膝蓋骨外側sleeve骨折の1例を経験したので報告する.【症例】11歳男児,体育の授業中真っすぐ走っていたところ右膝に轢音とともに疼痛が出現した.前医を受診しX線,超音波検査にて右膝蓋骨外側sleeve骨折の診断でknee braceによる保存加療を行っていた.受傷から1週間後転位増悪したため加療目的に当院紹介となった.CTとMRIにて4mm転位した骨片とそれに伴う関節面の不整を認めたためpull-out法を用いた骨接合術を行った.関節鏡にて骨接合前後で骨折部のtiltが改善したことを確...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 71; no. 1; pp. 41 - 45
Main Authors 井原, 和彦, 中川, 憲之, 佐藤, 陽昨, 松本, 直之, 島田, 信治, 竹下, 都多夫, 園田, 裕樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2022
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.71.41

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Summary:【はじめに】小児膝蓋骨sleeve骨折は上極と下極に好発するが,外側の報告は非常に少ない.今回我々は稀な小児膝蓋骨外側sleeve骨折の1例を経験したので報告する.【症例】11歳男児,体育の授業中真っすぐ走っていたところ右膝に轢音とともに疼痛が出現した.前医を受診しX線,超音波検査にて右膝蓋骨外側sleeve骨折の診断でknee braceによる保存加療を行っていた.受傷から1週間後転位増悪したため加療目的に当院紹介となった.CTとMRIにて4mm転位した骨片とそれに伴う関節面の不整を認めたためpull-out法を用いた骨接合術を行った.関節鏡にて骨接合前後で骨折部のtiltが改善したことを確認した.術後疼痛は消失し,術後2週からROM訓練,術後4週から部分荷重を開始した.術後8週で骨癒合を得た.【考察】外側膝蓋支帯の牽引による小児膝蓋骨外側sleeve骨折と思われた.過去の報告通り超音波検査とMRIが診断に有用で,転位が大きい場合は骨接合術が有効と思われた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.71.41