大腿骨転子部不顕性骨折の画像診断におけるDual Energy CTの有用性の検討

【はじめに】大腿骨転子部の不顕性骨折は主にMRIで診断されるが,ペースメーカーを留置している患者や,認知症や不穏等で安静を維持できない患者への実施が制限される.我々は,主にMRIを実施することができない症例に対して,Dual Energy CT(以下DECT)を用いて骨髄浮腫を描出することで,大腿骨転子部不顕性骨折の診断の一助としてきたので報告する.【対象・方法】2020年8月から2023年2月までに当院にてDECTで大腿骨転子部不顕性骨折診断を行った8例を対象とした.整形外科医がPlane CTを読影して骨折の及ぶ範囲を確認し,その範囲とDECTの骨髄浮腫像の比較を行った.【結果】整形外科医...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 73; no. 1; pp. 28 - 31
Main Authors 藤原, 悠子, 柳田, 隆宏, 土持, 兼之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2024
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.73.28

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Summary:【はじめに】大腿骨転子部の不顕性骨折は主にMRIで診断されるが,ペースメーカーを留置している患者や,認知症や不穏等で安静を維持できない患者への実施が制限される.我々は,主にMRIを実施することができない症例に対して,Dual Energy CT(以下DECT)を用いて骨髄浮腫を描出することで,大腿骨転子部不顕性骨折の診断の一助としてきたので報告する.【対象・方法】2020年8月から2023年2月までに当院にてDECTで大腿骨転子部不顕性骨折診断を行った8例を対象とした.整形外科医がPlane CTを読影して骨折の及ぶ範囲を確認し,その範囲とDECTの骨髄浮腫像の比較を行った.【結果】整形外科医が読影しても発見できてなかった部位の変化をDECTで確認可能であった.【まとめ】MRIを施行することが困難な患者に対し,DECTが大腿骨転子部不顕性骨折の診断の一助となり得る可能性が示唆された.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.73.28