vHIT (video Head Impulse Test) の診断的価値

「はじめに -Head Impulse Test (HIT)とは?-」 Head Impulse Test (HIT)はHalmagyiとCurthoysが1988年に発表した, ベッドサイドでも施行可能な簡便な半規管機能検査である. HITの手技は, まず検者は被験者と正対するように座り, 被験者に検者の鼻先を見続けるよう指示する. 次に検者は被験者の側頭部を両手でしっかり把持し, 速く・小さく回転させる. 健常者にHITを行うと, VORの働きにより視標(鼻先)を見続けることができる. 一方半規管機能低下例の患側方向にHITを行うと, 視標を見続けることができず, 代償性眼球運動(Catc...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inEquilibrium Research Vol. 76; no. 3; pp. 212 - 218
Main Author 新藤, 晋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published Kyoto 一般社団法人 日本めまい平衡医学会 01.01.2017
日本めまい平衡医学会
Japan Science and Technology Agency
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0385-5716
1882-577X
DOI10.3757/jser.76.212

Cover

More Information
Summary:「はじめに -Head Impulse Test (HIT)とは?-」 Head Impulse Test (HIT)はHalmagyiとCurthoysが1988年に発表した, ベッドサイドでも施行可能な簡便な半規管機能検査である. HITの手技は, まず検者は被験者と正対するように座り, 被験者に検者の鼻先を見続けるよう指示する. 次に検者は被験者の側頭部を両手でしっかり把持し, 速く・小さく回転させる. 健常者にHITを行うと, VORの働きにより視標(鼻先)を見続けることができる. 一方半規管機能低下例の患側方向にHITを行うと, 視標を見続けることができず, 代償性眼球運動(Catch Up Saccade, 以下CUS)が出現する. HITの優れている点は, 装置や器具を一切使用せず, いつでもどこでも素早く検査ができることである. 温度刺激検査は半規管機能検査として汎用されているが, 行うには一定の温度に冷やした(温めた)水とシリンジが必要であり, また左右を検査するのに最低10分は必要である.
Bibliography:ObjectType-Article-1
SourceType-Scholarly Journals-1
ObjectType-Feature-2
content type line 14
ISSN:0385-5716
1882-577X
DOI:10.3757/jser.76.212