TG18後の急性胆管炎・胆囊炎に対する初期対応と急性胆管炎診療フローチャート

Tokyo Guidelines 2018の急性胆管炎・胆囊炎に対する初期対応と急性胆管炎診療フローチャートについて,改訂の根拠と要点を概説し改訂後の関連文献について検討を加えた。初期対応の鎮痛薬投与については,2019年にメタアナリシスが報告され,急性腹痛に対して鎮痛薬を投与しても診断率に差がないことが証明されエビデンスが強固となった。重症胆管炎・胆囊炎に対するrecombinant human soluble thrombomodulinの有用性を示した報告が2編あったが,いずれも症例集積研究で,さらに研究が進み質の高いエビデンスで有用性の有無が証明されることが望まれる。急性胆管炎診療フロ...

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Published in日本外科感染症学会雑誌 Vol. 17; no. 3; pp. 115 - 118
Main Authors 山根, 聖弘, 山崎, 健司, 松谷, 哲行, 服部, 豊, 川村, 幸代, 高島, 順平, 茂原, 富美, 谷口, 桂三, 伊東, 彩香, 日川, 拓己, 小林, 宏寿, 三浦, 文彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本外科感染症学会 30.06.2020
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ISSN1349-5755
2434-0103
DOI10.24679/gekakansen.17.3_115

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Summary:Tokyo Guidelines 2018の急性胆管炎・胆囊炎に対する初期対応と急性胆管炎診療フローチャートについて,改訂の根拠と要点を概説し改訂後の関連文献について検討を加えた。初期対応の鎮痛薬投与については,2019年にメタアナリシスが報告され,急性腹痛に対して鎮痛薬を投与しても診断率に差がないことが証明されエビデンスが強固となった。重症胆管炎・胆囊炎に対するrecombinant human soluble thrombomodulinの有用性を示した報告が2編あったが,いずれも症例集積研究で,さらに研究が進み質の高いエビデンスで有用性の有無が証明されることが望まれる。急性胆管炎診療フローチャートについては,中等症以下の急性胆管炎で,病院到着から12時間未満と以降で在院期間,在院死亡率および30日以内胆管炎再発率に差がなかった,という報告があった。早期胆管ドレナージの定義と適応基準について検討する必要があることが示唆された。
ISSN:1349-5755
2434-0103
DOI:10.24679/gekakansen.17.3_115