ポビドンヨードと比較した肝切除術における術前皮膚消毒剤としてのオラネキシジングルコン酸塩の手術部位感染予防効果の検討
【目的】オラネキシジングルコン酸塩使用肝切除術施行例における手術部位感染(SSI)発症頻度からその予防効果を検討した。【方法】過去6年間に胆道再建および他臓器合併切除を伴わない肝切除術を施行した582例を対象とした。皮膚消毒は2019年3月まではポビドンヨード(PVP–I群:465例)を用い,2019年4月以降はオラネキシジングルコン酸塩(OLG群:117例)を用いた。傾向スコアマッチングを行い,2群間のSSI発生頻度を比較検討した。【結果】マッチング後,片群117例ずつ抽出され,臨床像に有意差は認められなかった。OLG群とPVP–I群で術後SSI発症頻度および率は,それぞれ9例(7.7%),...
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Published in | 日本外科感染症学会雑誌 Vol. 17; no. 6; pp. 503 - 508 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本外科感染症学会
31.12.2020
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Subjects | |
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ISSN | 1349-5755 2434-0103 |
DOI | 10.24679/gekakansen.17.6_503 |
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Summary: | 【目的】オラネキシジングルコン酸塩使用肝切除術施行例における手術部位感染(SSI)発症頻度からその予防効果を検討した。【方法】過去6年間に胆道再建および他臓器合併切除を伴わない肝切除術を施行した582例を対象とした。皮膚消毒は2019年3月まではポビドンヨード(PVP–I群:465例)を用い,2019年4月以降はオラネキシジングルコン酸塩(OLG群:117例)を用いた。傾向スコアマッチングを行い,2群間のSSI発生頻度を比較検討した。【結果】マッチング後,片群117例ずつ抽出され,臨床像に有意差は認められなかった。OLG群とPVP–I群で術後SSI発症頻度および率は,それぞれ9例(7.7%),6例(5.1%),切開創SSIは1例(0.9%),2例(1.7%),臓器/体腔SSIは9例(7.7%),5例(4.3%)で,有意差は認められなかった。また,MRSA感染はそれぞれ 1例(0.9%),2例(1.7%)で,有意差は認められなかった。【結論】肝切除術におけるオラネキシジングルコン酸塩使用時のSSI発症頻度はポビドンヨードと差はなく,その予防効果は同等と考えられた。 |
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ISSN: | 1349-5755 2434-0103 |
DOI: | 10.24679/gekakansen.17.6_503 |