ニューラルネットワークを用いた体表面電位図の至適誘導点の選出

体表面電位図作成の簡略化のため, 経験的にあるいは統計的に誘導点を削減する試みがいくつか報告されている.誘導点の削減は体表面電位図の自動解析においても処理時間の短縮が期待できる.我々はこの観点より体表面電位図をニューラルネットワークに学習させて人間の経験を数値化し, 至適誘導点を見つけ出す方法を試みた.対象疾患は前壁心筋梗塞と下壁心筋梗塞とした, ニューラルネットワークで選択された誘導点は前壁・下壁心筋梗塞とも, 主に左前胸部と背面部に分布しており, 右前胸部は少なかった, 誘導点を削減する以前と後では, 敏感度・特異度・効率とも大差なかった.解析精度を損なうことなく, 誘導点数を半分以下にま...

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Published in心電図 Vol. 23; no. 6; pp. 614 - 620
Main Authors 堀場, 文彰, 菱田, 仁, 武岡, さおり, 安保, 泰宏, 小島, 浩司, 小栗, 宏次, 藤原, 稚也, 鈴木, 茂孝, 渡邉, 佳彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本不整脈心電学会 2003
日本心電学会
Subjects
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ISSN0285-1660
1884-2437
DOI10.5105/jse.23.614

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Summary:体表面電位図作成の簡略化のため, 経験的にあるいは統計的に誘導点を削減する試みがいくつか報告されている.誘導点の削減は体表面電位図の自動解析においても処理時間の短縮が期待できる.我々はこの観点より体表面電位図をニューラルネットワークに学習させて人間の経験を数値化し, 至適誘導点を見つけ出す方法を試みた.対象疾患は前壁心筋梗塞と下壁心筋梗塞とした, ニューラルネットワークで選択された誘導点は前壁・下壁心筋梗塞とも, 主に左前胸部と背面部に分布しており, 右前胸部は少なかった, 誘導点を削減する以前と後では, 敏感度・特異度・効率とも大差なかった.解析精度を損なうことなく, 誘導点数を半分以下にまで削減することができ, 処理時間を大幅に減少させうることが示唆された.
ISSN:0285-1660
1884-2437
DOI:10.5105/jse.23.614