前立腺がん患者に対するLH-RH アナログ注射剤投与時の疼痛緩和を目的とした注射部位冷却法の有効性に関する検討

「緒言」近年, 人口の高齢化や食生活の欧米化, 診断技術の進歩に伴い, 前立腺がんの罹患者数も増加傾向にある. 前立腺がんはホルモン感受性が高く, 男性ホルモン依存性がんであることが知られており, その主な治療として内分泌療法が広く行われている. 前立腺がんに対する内分泌療法にはいくつかの選択肢があるが, その中でもLHRHアナログ注射剤を用いた治療法が全体の7割以上を占めている1). わが国では, 前立腺がんに対してゴセレリン酢酸塩(Zoladex(R), アストラゼネカ(株))あるいはリュープロレリン酢酸塩(Leuplin(R), 武田薬品工業(株))を主成分としたLH-RHアナログ注射4...

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Published in医療薬学 Vol. 37; no. 3; pp. 157 - 163
Main Authors 中川, 達夫, 須藤, 泰史, 木藤, 一美, 平岡, 陽一, 橋本, 隆信, 飯原, 清隆, 長井, 昭人, 福森, 知治, 真鍋, 明子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 2011
日本医療薬学会
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.37.157

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Summary:「緒言」近年, 人口の高齢化や食生活の欧米化, 診断技術の進歩に伴い, 前立腺がんの罹患者数も増加傾向にある. 前立腺がんはホルモン感受性が高く, 男性ホルモン依存性がんであることが知られており, その主な治療として内分泌療法が広く行われている. 前立腺がんに対する内分泌療法にはいくつかの選択肢があるが, その中でもLHRHアナログ注射剤を用いた治療法が全体の7割以上を占めている1). わが国では, 前立腺がんに対してゴセレリン酢酸塩(Zoladex(R), アストラゼネカ(株))あるいはリュープロレリン酢酸塩(Leuplin(R), 武田薬品工業(株))を主成分としたLH-RHアナログ注射4製剤が臨床応用されているが, ゴセレリン製剤においては注射針が14Gあるいは16Gと太く2, 3), 投与時に痛みを訴える患者も少なくない. 長期にわたる前立腺がん内分泌療法において, 注射に伴う疼痛は患者のQOLを低下させる要因ともなり得るため, われわれ薬剤師はファーマシューティカルケアを提供する上で, 投与時の疼痛を軽減するための工夫についても検討していく必要がある.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.37.157