チクロピジンからクロピドグレルへの薬剤変更は血小板凝集能に影響を与えるか
要旨:本研究は, TIAあるいは脳梗塞の既往を有しチクロピジン200mg/dayを服用していた44例を対象に, 薬剤をクロピドグレル75mg/dayに変更した際の安全性, 短期予後, 血小板凝集能の変化などを前向きに検討した初めての報告である. 薬剤の変更に伴う副作用や脳血管イベントの発生はなく, 血液および生化学的検査データや, コラーゲンおよびADPによる血小板凝集能に有意な変化は認められなかった. 「はじめに」Antiplatelet Trialists' Collaboration(APT)による研究によって, 抗血小板療法は心筋梗塞, 脳梗塞などのハイリスク患者で重篤な血管...
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Published in | 脳卒中 Vol. 31; no. 3; pp. 185 - 187 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中学会
2009
日本脳卒中学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0912-0726 1883-1923 |
DOI | 10.3995/jstroke.31.185 |
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Summary: | 要旨:本研究は, TIAあるいは脳梗塞の既往を有しチクロピジン200mg/dayを服用していた44例を対象に, 薬剤をクロピドグレル75mg/dayに変更した際の安全性, 短期予後, 血小板凝集能の変化などを前向きに検討した初めての報告である. 薬剤の変更に伴う副作用や脳血管イベントの発生はなく, 血液および生化学的検査データや, コラーゲンおよびADPによる血小板凝集能に有意な変化は認められなかった. 「はじめに」Antiplatelet Trialists' Collaboration(APT)による研究によって, 抗血小板療法は心筋梗塞, 脳梗塞などのハイリスク患者で重篤な血管イベントのリスクを約25~30%低下することが示された1). これまで, わが国ではTIAや脳梗塞の症例に対してアスピリン, チクロピジンなどが使用されてきた. クロピドグレルは, 脳梗塞などを対象にわが国で新たに認可された抗血小板剤である. アスピリンと同等の安全性で使用可能である2). |
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ISSN: | 0912-0726 1883-1923 |
DOI: | 10.3995/jstroke.31.185 |