房室接合部アブレーションに引き続く両室ペーシング機能付き植込み型除細動器植込み後に右室リード脱落を生じた1例

症例は63歳, 男性.1999年, 広範囲前壁中隔梗塞発症し, 2001年頃より虚血性心筋症による心不全増悪入退院を繰り返したため, 2006年8月に左室形成術を含めた外科手術が施行された, 術後, 持続性心房粗動に対し頻回の電気的除細動を要したためカテーテルアブレーションを試みたが根治困難であり, 房室接合部アブレーションに引き続き両室ペーシング機能付き植込み型除細動器植込みが施行された, 退院2週間後, ふらつき自覚直後に除細動 (ICD) 機能が作動し緊急入院となった, テレメトリーでは心房, 心室とも同周期 (190msec) の頻拍が記録されていた.胸部X線所見も参照し, 右室リード...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in心電図 Vol. 28; no. 2; pp. 169 - 175
Main Authors 杉山, 裕章, 相良, 耕一, 傅, 隆泰, 澤田, 準, 相澤, 忠範, 鈴木, 信也, 大塚, 崇之, 平野, 景子, 山下, 武志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本不整脈心電学会 2008
日本心電学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0285-1660
1884-2437
DOI10.5105/jse.28.169

Cover

More Information
Summary:症例は63歳, 男性.1999年, 広範囲前壁中隔梗塞発症し, 2001年頃より虚血性心筋症による心不全増悪入退院を繰り返したため, 2006年8月に左室形成術を含めた外科手術が施行された, 術後, 持続性心房粗動に対し頻回の電気的除細動を要したためカテーテルアブレーションを試みたが根治困難であり, 房室接合部アブレーションに引き続き両室ペーシング機能付き植込み型除細動器植込みが施行された, 退院2週間後, ふらつき自覚直後に除細動 (ICD) 機能が作動し緊急入院となった, テレメトリーでは心房, 心室とも同周期 (190msec) の頻拍が記録されていた.胸部X線所見も参照し, 右室リードが右房内に脱落した結果, 心房粗動を心室細動と誤認しICD機能が誤作動していた, ICD機能作動後には洞調律による心房興奮を心室興奮と感知, 自脈検知に同期した両室ペーシング機能が作動し左室ペーシングのみで心室捕捉がなされて存命しえた症例であった.
ISSN:0285-1660
1884-2437
DOI:10.5105/jse.28.169